メニュー

イボ(尋常性疣贅)

 「イボ」は、“皮膚が盛り上がっている小さなできもの”の総称です。

 「イボができた」とよく言いますが、その「イボ」には種類があり、その原因も次のようにさまざまです。


・尋常性疣贅
・ミルメシア
・青年性扁平疣贅

ウイルスに感染して起こるイボです。感染したウイルスの種類によって、名称、症状が変わります。
・老人性疣贅(脂漏性角化症)
紫外線が原因と考えられる皮膚の老化現象のひとつです。中高年に多く、盛り上がったシミのようなイボです。
・軟性線維腫(アクロコルドン)
首イボ、脇イボとも呼ばれ、摩擦などで起こる皮膚変化です。


 医学的に「イボ」のことを疣贅(ゆうぜい)と言いますが、ここでは「イボ」のなかで最も多い、ウイルス感染による「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」について紹介します。

イボ(尋常性疣贅)の原因

 イボ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスの感染によって起こります。

 HPVには150以上のもの種類(型)があり、ウイルスの種類によって感染しやすい部位やイボの形状が変わります。 イボ(尋常性疣贅) の主な原因となるのはHPV2型・27型・57型です。

 HPVは、皮膚にできた微細な傷から入り込み、数ヶ月かけてイボを形成します。“タコ”や“うおのめ”に似た小さなできもので、自覚症状はほとんどありませんが、放置すると症状はどんどん広がります。傷から侵入するウイルスなので、手足にできやすく、また子どもに多くみられるのが特徴です。

 アトピー性皮膚炎の患者さんは、皮膚をひっかいたり、こすれやすい肘や脇などにできることがあります。

 HPVは人から感染するため、ジムやプール、銭湯など公共施設で間接的にうつることもあります。

イボ(尋常性疣贅)の症状

 イボ(尋常性疣贅)は、小さな傷から感染するため、次のような部位にできやすいです。

  • 手や足の指
  • 手の平、足の裏
  • 爪の周囲

 通常は、数mm~1cm程度の小さな皮膚の盛り上がりができます。1つだけできることもありますが、複数が点在したり、集まって面状に広がることもあります。大きさに関わらず、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。

イボ(尋常性疣贅)の症状

イボ(尋常性疣贅)の診断

 「イボ」と言ってもその種類はさまざまで、また、イボと思っている皮膚の“できもの”の中には、皮膚がんなど悪性のものもあります。そのため、医師の診断が重要であり、イボの種類に応じた検査と治療選択が必要となります。

 当院では正確な診断のために、医療用拡大鏡検査(ダーモスコピー検査)で診たり、他の疾患、特に悪性が疑われる時は生検による病理検査を行っています。

ダーモスコープ(DZ-S50)

 皮膚の“できもの”については、一般皮膚科の皮膚腫瘍の項目を参考にしてみてください。

皮膚腫瘍の詳細を見る

イボ(尋常性疣贅)の治療

 治療の基本は、液体窒素を用いた冷凍凝固療法ですが、当院では一人ひとりの症状に合わせて、皮膚を柔らかくする軟膏などを併用する治療を提案しています。

液体窒素を用いた冷凍凝固療法(スプレータイプ)

 マイナス196度の液体窒素をイボに当てて、ウイルスとともに壊死させる治療法です。症状や大きさにもよりますが、1~2週間ごとの治療を繰り返して、徐々にイボを取り除きます。液体窒素を当てたイボは、かさぶさとなって剥がれ、自然になくなっていきます。

 冷凍凝固療法は保険適応であり、日本皮膚科学会の『尋常性疣贅診療ガイドライン2019』でも、最も高い推奨レベルの治療の一つとして紹介されています。

 当院では、ピンポイントで患部を治療でき、かつ痛みが少なく、安全性も高い、最新の冷凍治療器『Cryo Pro』にて治療を行っています。

 ウイルス性のイボは、治療にかなりの時間がかかるものも多いですが、当院では毎回医師が診察し、医師が直に冷凍凝固療法を行いますので、きめ細かく変化を観察しながら、改善するまでしっかりと二人三脚で根気よく対応いたします。

Cryo Pro(液体窒素による冷凍凝固療法)

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME