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疥癬(かいせん)

 疥癬は、ヒゼンダニ(疥癬虫)という小さなダニによる感染症です。

 強いかゆみを伴うため、皮膚をかくことで患部が広がることがあります。また疥癬は、皮膚が触れたり、衣類などを介して人にうつしてしまうことがあるため、早めの治療が大切です。

疥癬(かいせん)の原因

 疥癬は、目視では見えないほど小さなヒゼンダニというダニが、皮膚に寄生することで生じる感染症です。

 抵抗力の弱った高齢者の方に多くみられます。疥癬は、直接皮膚に触れたり、衣類を介してうつることがあるため、患者さんの家族の方、高齢者施設で働かれている方が感染することもあります。

疥癬(かいせん)の原因:ヒゼンダニ

 疥癬は、寄生するヒゼンダニの数によって、2つの種類に分けられます。

通常疥癬

長い時間、乾癬の患者さんの肌に直接触れることで感染します。少し触れる程度なら感染はしません。

疥癬の患者さんが使用した衣類や寝具を、他の人が使うことで感染することもあります。

角化型疥癬(ノルウェー疥癬)

「角化型疥癬」の患者さんからうつる場合、ダニの数が多く、感染力が高いため、短時間の接触でも感染します。患者さんから剥がれ落ちた角質(垢)にも生きている多くのダニが含まれているため、それが付着することでも感染の原因となります。

 疥癬は、ヒゼンダニに感染してから症状がでるまで、潜伏期間と呼ばれる期間が1~2ヵ月あります。ただし、感染力の強い「角化型疥癬」から感染した場合は、「通常疥癬」よりも早く症状が現れることがあるため、注意が必要です。

疥癬(かいせん)の症状

 「通常疥癬」か「角化型疥癬」かによって、症状が異なります。

通常疥癬

虫刺されのような赤いぶつぶつ(丘疹)が、腹部や胸部、足、腕などに現れます。また、疥癬トンネルと呼ばれる白い線状皮疹が、指の間や側面などに現れます。

寄生したヒゼンダニの抜け殻や糞などによってアレルギー反応が生じるため、強いかゆみを伴うのが特徴です。

通常疥癬の症状

角化型疥癬(ノルウェー疥癬)

皮膚がざらざらと厚く、かさぶたのような状態になります(角化)。手や足、臀部、ひじ、ひざなどのほか、爪にも症状が現れることがあります。

かゆみはあったりなかったりと、人によって異なります。

角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の症状

症例出典:マルホ株式会社『疥癬確定診断 ヒゼンダニの見つけ方』より

疥癬(かいせん)の診断

 適切な治療を行うため、まずはヒゼンダニを確認することが重要となります。

 「通常疥癬」が疑われる場合、当院では正確な診断のために、光学顕微鏡(クリティカル照明 LED)や医療用拡大鏡(ダーモスコピー)での検査を行っています。

光学顕微鏡(クリティカル照明 LED)

 ヒゼンダニは疥癬トンネルに存在していることが多いため、注射針などを用いて、疥癬トンネルから丁寧にヒゼンダニや角質を採取します。

 採取した組織を光学顕微鏡(クリティカル照明 LED)で観察して、ヒゼンダニの虫体、卵、抜け殻が見つかれば診断が確定します。

疥癬(かいせん)の診断:光学顕微鏡(クリティカル照明 LED)

医療用拡大鏡(ダーモスコピー)

 痛みを伴わない簡便な検査で、ダーモスコピーで疥癬トンネルを直接観察して、ヒゼンダニを見つけます。

疥癬(かいせん)の診断:ダーモスコピー検査

 疥癬は、確定診断(ヒゼンダニの検出)が難しい病気ですが、当院では丁寧な診察と検査を行うことで、適確な診断に努めています。

疥癬(かいせん)の治療

 ヒゼンダニを駆除するための内服薬や塗り薬と使って治療を行います。かゆみが強い場合は、かゆみを抑える内服薬を併用することもあります。

 症状にもよりますが、治療は1ヶ月ほどかかります。治療後もかゆみが残ったり、再発することがあるため、数ヶ月はしっかりと経過観察することが大切です。

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