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薬疹(やくしん)

薬疹とは

薬疹とは:当院の薬疹の症例写真1

薬疹とは:当院の薬疹の症例写真2

当院の薬疹の症例写真

 薬疹(やくしん)とは、飲み薬(内服薬)や注射薬などによって体内に入った薬が原因で、皮膚や粘膜に発疹が現れる疾患です。

 原因となる薬を使い始めてからすぐに症状が現れるのではなく、数日~2週間ほど経ってから症状が現れることが多いです。処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントで生じることもあります。

 薬疹は、軽症であることが多いですが、稀に全身に広がる発疹、粘膜のただれ、発熱などを伴う重い症状に進むことがあり、早めの対応が大切です。

薬疹の症状

 薬疹の症状は、原因となる薬やその人の体質によってさまざまです。代表的な症状には次のようなタイプがあります。

全身に広がる赤い発疹(播種状紅斑丘疹型:はしゅじょうこうはんきゅうしんがた)

 最も多くみられるタイプで、体や手足に赤い斑点や小さなぶつぶつ(丘疹)が多発します。左右対称に広がるのが特徴で、かゆみを伴うことがあります。

同じ場所に繰り返し現れる発疹(固定薬疹)

 特定の薬を使うたびに、赤紫色の円い発疹が現れるタイプです。唇・手足・陰部を中心に、皮疹が出る部位は様々ですが、発症時は決まった箇所に発疹が現れるのが特徴です。

じんましんのような症状(蕁麻疹型)

 赤く盛り上がった発疹(膨疹)が全身で現れ、強いかゆみを伴うことがあるタイプです。

 「即時型」とも言われ、他のタイプとは異なり、薬を使ってから数分から数時間と比較的すぐに症状が現れます。蕁麻疹(じんましん)は1日以内に症状が消えますが、薬疹の場合、数日~数週間症状が続くことが多いです。

発熱や粘膜症状を伴う(重症型)

 38.5度以上の高熱や強いだるさが現れます。目が赤くただれる、口・のどがただれて痛みで食事ができないなど、粘膜の異常も生じます。

 水ぶくれや皮膚のむけが広い範囲に現れる場合は、重症型の可能性があり注意が必要です。皮疹が出てくる体表面積によって、重症薬疹には主に、SJS(Stevens-Johnson症候群/スティーヴンス・ジョンソン症候群)とTEN(Toxic Epidermal Necrolysis/中毒性表皮壊死融解症)の2つのタイプが分類されます。SJSは皮膚の水ぶくれや表皮剥離が体表面積の10%未満の状態、TENは30%以上に広がった、より広範囲で重篤な状態を指します。また、表皮剥離が10~30%の場合は「SJS/TENオーバーラップ」と呼ばれます。

薬疹の受診タイミングと判断のポイント

 蕁麻疹や接触皮膚炎(かぶれ)などの類似疾患と判別するためにも、気になる症状が現れた時は、すぐに受診することをおすすめします。

  • ・新しい薬を使い始めてから、発疹やかゆみが現れるようになった
  • ・過去に薬で発疹やかぶれが出たことがあり、再び同じような症状がでた
  • ・薬を使った後、発熱、目・口・のどの粘膜のただれ、水ぶくれなどの症状がでている

薬疹の治療

 薬疹の治療は、原因と考えられる薬の使用を中止することが基本です。ただし、自己判断で中止すると、持病の治療に影響することもあるため、医師と相談しながら進めることが重要です。

 症状によっては、ステロイドの外用薬や内服薬、かゆみを抑える抗アレルギー薬などを使います。軽症であれば数日~数週間で改善が期待できますが、重症型を生じた場合、入院してより慎重な治療が必要になることもあります。

 薬疹を発症した際、原因となった薬を再度使用しないよう、記録しておくことも大切です。

 当院では、皮膚科専門医・アレルギー専門医である院長の下、発疹の状態を丁寧に確認し、必要に応じて血液検査などを行いながら、原因となった薬の特定に努めています。薬疹は、他の皮膚疾患との見分けが難しい場合もあるため、症状や薬の内容を踏まえて診察を行います。重症型が疑われる場合には、連携する医療機関へのご紹介も行っていますので、症状でお悩みの方は気軽にご相談ください。

よくある質問

  • Q1. 薬疹はどのくらいで治りますか?

    A1. 軽症の場合、原因となる薬の使用を止めて適切な治療を行うことで、数日から数週間ほどで改善します。

    ただし、症状の程度や体質によって経過はさまざまです。重症型の場合は治療に時間がかかり、入院が必要になることもあります。自己判断せず、医師と相談しながら経過をみていくことが大切です。

  • Q2. 市販薬やサプリメントでも薬疹は起こりますか?

    A2. 薬疹は処方薬だけでなく、市販の風邪薬や解熱鎮痛薬、サプリメントなどでも起こることがあります。

    「薬ではないから大丈夫」「サプリなら問題ない」と思われがちですが、体内に入るものであれば薬疹の原因になり得ます。受診の際は、市販薬やサプリメントを含め、最近使ったもの(摂取したもの)をできるだけ正確にお伝えいただくと、原因の特定に役立ちます。

  • Q3. 一度薬疹が出た薬は、二度と使えないのでしょうか?

    A3. 薬疹の原因となった薬を再び使うと、同じかあるいはより強い症状が現れることがあります。そのため、原則として避けることをおすすめしています。

    特に重症型を起こした薬は避ける必要があります。原因となる薬がはっきりしている場合は、お薬手帳などに記録し、ほかの医療機関を受診する際にも伝えられるようにしておくと安心です。

  • Q4. 薬疹とかぶれ(接触皮膚炎)の違いは何ですか?

    A4. かぶれは、化粧品や金属など皮膚に直接触れた物質が原因で、触れた部分に症状がでるのが特徴です。一方、薬疹は体内に入った薬が原因で症状が現れます。発疹が左右対称に広がることが多い点も異なります。

    ただし見た目では区別が難しいこともあるため、気になる症状がある場合は、診察にてご相談ください。

  • Q5. どんな検査で薬疹の原因となる薬を調べますか?

    A5. 薬疹では、発疹の状態や症状の経過、使用した薬の情報をもとに原因を特定していきます。

    必要に応じて血液検査や、皮膚に薬剤を貼って反応をみるパッチテストなどを行うこともあります。また、原因となる薬を一つに特定するのが難しい場合もあるため、当院ではアレルギー専門医である院長の指示の下、状況に応じて検査方法を検討します。

薬疹の関連項目

 以下の項目もぜひ参考にしてみてください。



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