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果物や野菜を食べて口や喉がかゆい、イガイガする~花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)

 

 果物や野菜を食べて口や喉がかゆい、イガイガする・・・

 それって花粉・食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome, PFAS)かも😱

 ■花粉・食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome, PFAS)とは?
 ある特定の花粉抗原に対しアレルギー反応が起こる状態(感作)になると、似たような構造を持つ別のタンパク質に対してアレルギー症状を起こすようになります(交差反応)。これを「花粉・食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome, PFAS)」といいます。

 ■PFASはどうやって発症するの?
 果物や野菜、豆類、稀にスパイスなどが原因となり、花粉に感作された人の口腔粘膜に食品が接触することで症状が始まります。このような口や喉のかゆみ、イガイガする反応は“口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome, OAS)とも呼ばれています。

 ■主な原因アレルゲン
 代表的な抗原として、Bet v 1 ホモログ(別名:pathogenesis-related protein, PR-10)、プロフィリンが挙げられます。これらの野菜や果物に含まれる蛋白質は熱に弱く、多くの場合は加熱処理や酵素処理などで消化されるため、口腔や喉以外の症状が少ないとされています。

 ■PFASの症状
 原因食物摂取後1時間以内に症状が現れることがほとんどであり、口唇や舌、口腔咽頭粘膜のかゆみや刺激感(イガイガ、チクチク)などの自覚症状のみが多いです。

 時に鼻症状(鼻の痒み、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど)、眼症状(涙、結膜の充血など)、耳症状(痒み)、皮膚症状(じんま疹、顔やまぶたの浮腫など)、消化器症状(腹痛、吐き気、下痢など)、呼吸症状(呼吸困難、喘鳴など)が現れ、約1~2%程度の確率で、アナフィラキシーショックに陥ることもあります⚡

 ■診断方法
 ・原因花粉の診断→候補となる花粉の特異的IgE抗体測定(アレルギー採血検査)を行います。
 ・原因食物の診断→特異的IgE抗体測定(アレルギー採血検査)、皮膚プリックテスト、必要に応じて食物負荷試験を行います。

 ※皮膚プリックテストや食物負荷試験は検査時に強いアレルギー症状が出ることがあり、適切な医療機関を紹介して実施します。

 PFASに対する予防と対策の基本は、原因となる食物を口にしないことです。

 新鮮な果物は特に反応を引き起こしやすく、搾りたてのジュースでは、少量でもアレルギー反応が出ることがあります。一方、加熱調理したジャムや缶詰などは摂取可能な場合もあります。

 しかし、過去にアナフィラキシーを発症したことがある場合、または重篤な症状を誘発し得る食品(例:豆乳、スパイスなど)については、PFASの原因となる食物を確実に除去することを勧めます。

 PFASによる症状の治療については、口唇が腫れたり、口の中以外にも症状が発生した場合にはアレルギー薬の内服を、全身症状の既往がある場合にはアドレナリン自己注射薬(エピペン)の携帯をおすすめします。

 花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)は現在、有効な治療方法が確立していませんので、原因となる食物を摂取しないよう注意しましょう💡

 当院では採血による検査を行っています。
食べ物を摂取して口の中に違和感を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください♪

参考資料)食物アレルギー診療ガイドライン2021 (Japanese Guidelines for Food Allergy 2021) 協和企画

参考資料)口腔アレルギー症候群(Allergology Now, 一般社団法人 日本アレルギー学会)


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