まつ毛が伸びる医療用育毛剤「ビマトプロスト」
女性は化粧をすることで、まつ毛に負担がかかり、“まつ毛が抜ける”などのお悩みを抱える方が少なくありません。また、性別などに関わらず、まつ毛が「少ない」「細い」「短い」というまつ毛貧毛症で悩んでいる方もいらっしゃいます。
そんなまつ毛のお悩みを解消するのが、まつ毛専用育毛剤「ビマトプロスト」です。
医療用育毛剤なので、市販のものよりも効果が高く、さらに就寝前にまつ毛に塗布するだけ、という手軽さで「長く、太く、濃い」まつ毛を育んでくれます。
ビマトプロストとは
ビマトプロスト(Bimatoprost)は、プロスタグランジン・アナログ(prostaglandin analogs)というクラスに属する、薬剤の一種です。
本来、眼圧を下げて、緑内障による視野の悪化を抑える効果があるとして、緑内障点眼薬として使用されていました。
しかし、緑内障治療として使用される中で、まつ毛の毛包に作用して育毛効果を発揮することが分かり、アメリカFDA(U.S. Food and Drug Administration, 米食品医薬品局)にも認められ、医療用まつ毛育毛剤としても用いられるようになりました。
ビマトプロストのまつ毛育毛効果
頭髪と同じように、まつ毛にも毛周期(ヘアサイクル)があります。毛周期(ヘアサイクル)は、毛が成長してから自然と抜け落ち、新しい毛に変え変わるとい、発毛・脱毛サイクルです。
ビマトプロストは、まつ毛の毛周期(ヘアサイクル)に働きかけ、まつ毛の成長期を長くするため、「長く」「太い」まつ毛が育つと考えられています。
「毛の数」を増やす効果はないため、発毛ではなく、あくまでも育毛効果となります。
ビマトプロストは医療用に認められた成分のため、市販の美容液よりも高い効果を実感できます。
加齢のほか、化粧やまつエクなどで崩れてしまった毛周期(ヘアサイクル)を整えるだけでなく、抗がん剤治療後の方のまつ毛育剤としてもおすすめです。
ビマトプロストの当院症例
ビマトプロストの当院症例1
ビマトプロストの当院症例です。約2ヶ月間の使用で、まつ毛が全体的に太く、長くなりました。
・使用頻度:週4回
・治療内容:ビマトプロスト(まつ毛育毛)
・費用(保険適用外):5,720円(ビマトプロスト1本、アプリケーター)
・副作用:結膜充血、眼のかゆみ、刺激感など
ビマトプロストの当院症例2
同じく、ビマトプロストの当院症例です。こちらも約2ヶ月間使用しました。まつ毛の真ん中部分が、両目ともに長くなっているのが分かります。
・使用頻度:週4回
・治療内容:ビマトプロスト(まつ毛育毛)
・費用(保険適用外):5,720円(ビマトプロスト1本、アプリケーター)
・副作用:結膜充血、眼のかゆみ、刺激感など
※効果には個人差があります。
ビマトプロストの持続性
まつ毛は毛周期(ヘアサイクル)に合わせて、ゆっくりと成長していきます。そのため、ビマトプロストを使用してから効果を実感するまで、約8週間(2ヶ月)かかり、16週間(4ヶ月)で効果は最大となります。
また、まつ毛は発毛・脱毛を繰り返すため、ビマトプロストの使用を中止すると、数週間から数ヶ月かけけて、元の毛量に戻っていきます。
ビマトプロストでまつ毛育毛をする際は、まずは少なくとも2ヶ月間は塗布を続けるほか、継続して使用することが大切です。
グラッシュビスタ・ミルガンとの違い
当院で取り扱っている薬剤は、わかもと製薬会社の「ビマトプロスト点眼液0.03%」です。
ビマトプロストを配合したまつ毛育毛剤には、「グラッシュビスタ(アラガン社)」「ルミガン点眼液0.03%(千寿製薬)」などもあります。いずでもビマトプロスト0.03%配合しており、基本、主成分の量や種類、安全性は変わりません。
しかし「ビマトプロスト点眼液0.03%」は、「グラッシュビスタ」のジェネリックとなり、価格がリーズナブルとなるため、継続して使用しやすいというメリットがあります。
ビマトプロストの使用の流れ
就寝前、メイクを落として洗顔を済ませます。
コンタクトレンズは外してください。再度コンタクトレンズを装着する際は、「ビマトプロスト」塗布後、15分以上経過してから装着してください。
塗布用ブラシを用意して、ブラシを水平に持ち、ブラシの毛先に「ビマトプロスト」を1~2滴垂らします。
「ビマトプロスト」の量が多いと希望部位以外の多毛や黒ずみの原因となるため、ご注意ください。塗布用ブラシは、メイク用や赤ちゃん用の綿棒を使用するのがおすすめです。
まつ毛の生え際を、アイライナーを引くように、目頭から目尻へ向かって丁寧に「ビマトプロスト」を塗ります。重ね塗りはせず、薄く塗るのがポイントです。
・下まつ毛には塗らないでください。
・1日1回を超えて塗布しないようにしてください。
まつ毛の生え際以外に「ビマトプロスト」が付いた場合は、すぐに拭き取るか、洗い流してください。
ブラシは片方づつ、新しいものを使うようにしてください。また、「ビマトプロスト」の塗布に使ったブラシは、都度捨てて、再使用しないようにしてください。
ビマトプロストの副作用・注意事項
副作用
・結膜充血、眼のかゆみ、刺激感、乾燥、眼瞼の紅斑などを生じることがあります。気になる症状がでた場合は、すぐに使用を中止して、クリニックまでご相談ください。
・稀ではありますが、メラニンの増加により黒目(虹彩)の色が濃くなること(虹彩色素過剰)や、まぶたがくぼくこと(眼瞼溝深化)といった副作用が生じることが報告されています。
注意事項
・コンタクトを装着した状態で使用しないでください。薬剤がコンタクトに付着すると、コンタクトレンズ表面が濃縮され、角膜上皮の潰瘍などを起こすことがあります。
・眼の治療を受けている方、持病のある方は、使用前にご相談ください。
・つけまつ毛、マスカラなどが付いていない状態で使用してください。マスカラなどが付いた状態で使用すると眼感染のリスクがあります。
・塗布量が多すぎると、目尻や目の下に薬剤が付着し、色素沈着を起こすことがありますので、使用量にご注意ください。(皮膚の色素沈着が生じた場合、使用を注意することで、徐々に薄くなります。部位や濃さによっては、レーザーなどで改善することもできます)
・妊娠又はその可能性がある方、授乳中の方は、使用ができませんので、あらかじめご了承ください。
まつ毛が伸びる医療用育毛剤について
「ピマトプロスト」は、医薬品医療機器等法上、緑内障、高眼圧症の治療について承認されていますが、まつ毛貧毛症治療としては承認されていません。
■入手経路等
国内の医薬品卸業者より購入しています。
■国内の承認薬品等の有無
国内では同一成分の「グラッシュビスタ」がまつ毛貧毛症治療薬として承認されています
■諸外国における安全性などに係る情報
まつ毛貧毛症治療薬として米国FDAで承認されています。