ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)
ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)は、照明の付いた拡大鏡を用いて、肉眼では評価が難しい皮膚病変の状態を調べる検査です。
痛みを伴うことなく、皮膚病変を詳しく観察できるため、より正確な診断が可能となります。
ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)とは
ほくろ、イボ、粉瘤など「できもの」と呼ばれる皮膚腫瘍には、たくさんの種類があります。自覚症状がなくても、中には皮膚がんなど悪性のものがあり、すぐに治療が必要となることもあります。
皮膚腫瘍によって治療法も異なるため、正しい治療法を選らぶためには、正確な診断が欠かせません。そこで用いられるのが、ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)です。
ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)では、肉眼よりも6~9倍の倍率で皮膚病変を確認することができるため、より正確な情報が得られます。
また、皮膚表面(角質)は光の散乱(乱反射)が起こりやすいため、肉眼だけでは詳しく観察することが難しいです。ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)は、この光の散乱(乱反射)を特殊なフィルターで取り除き、皮膚の表皮、真皮浅層までを観察することが可能となり、皮膚病変の詳しい状態を診ることができます。
ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)は、痛みを伴わない簡単な検査で、健康保険も適応されています。
ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)で診断できる疾患
- 母斑細胞性母斑(ホクロ)
- 粉瘤
- Bowen病
- 日光角化症
- 有棘細胞癌
- 悪性黒色種
- 基底細胞癌
- その他の皮膚がん
- 付属器系腫瘍(汗を出す器官のできものなど)
- 血管性腫瘍(血管のできもの)
- 尋常性疣贅(ウイルス性イボ)
- 脂漏性角化症(老人性イボ)
- 疥癬(ヒゼンダニ)
- アタマジラミ・ケジラミ
- 異物(トゲが刺さったなど)
など
ダーモスコピー検査(医療用拡大鏡検査)での使用機器
当院では、CASIOが 東京女子医大東医療センター皮膚科・千葉大学皮膚科・信州大学皮膚科 と共同で開発したダーモスコープ(DZ-S50)とダーモカメラ(DZ-Z100)を用いて検査を行っています。
基本、診察時にはダーモスコープ(DZ-S50)にて観察を行い、必要に応じて、ダーモカメラ(DZ-Z100)で詳細な写真を撮り、治療経過が確認できるよう記録を残します。
ダーモスコープ(DZ-S50)
皮膚病変部の拡大観察を手軽に行える皮膚観察用スコープです。
照度30,000ルクスの高輝度LEDにより、皮膚腫瘍(できもの)やシミの細かい形・模様・色合いを正確に見ることができ、詳細な観察が可能となっています。
ダーモカメラ(DZ-Z100)
臨床現場の声から生まれた皮膚観察・撮影用デジタルカメラで、CASIO独自のカメラ技術と画像処理技術により、皮膚病変部のより正確な評価ができます。
日経優秀製品・サービス賞2019とドイツのiFデザイン賞2020をダブル受賞しており、国内外で高く評価されている「Made in Japan」の皮膚科医療機器です。
病変部位全体の写真から拡大写真までスピーディに撮影できるだけでなく、LEDのリングライトによって、皮膚病変部の色合いを正確に撮影することができるため、しっかり経過を見る必要のある病変を記録することができます。
※「ダーモカメラ」はカシオ計算機株式会社の登録商標です
画像引用: カシオ計算機株式会社オンラインストア より