Bowen病(ボーエン病)
Bowen病(ボーエン病)とは

Bowen病
(下の写真は、医療用拡大鏡:ダーモスコピーで患部を拡大したもの)
Bowen病(ボーエン病)とは、皮膚の表皮内にがん細胞がとどまっている状態(上皮内がん)で、皮膚がんの一歩手前の状態(前がん状態)にあたる疾患です。
転移のリスクは低いとされますが、症状を放置することで「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)・有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)」へ進展することがあるため、早期発見・早期治療が大切です。
中高年以降に多く発症し、体のあらゆる部位に発症する可能性がありますが、特に紫外線を浴びやすい顔・手の甲・前腕などに生じやすい傾向があります。
Bowen病(ボーエン病)の症状
Bowen病(ボーエン病)は、湿疹や水虫(足白癬・爪白癬)、乾癬(かんせん)、日光角化症(にっこうかくかしょう)と症状が似ているため、自己判断が難しい皮膚疾患のひとつです。
境界がはっきりした赤い斑点・紅斑(こうはん)
輪郭が比較的明瞭で、表面がざらついたり、かさぶたのように鱗屑(りんせつ)を伴うことがあります。数ミリから数センチ程度まで大きさはさまざまです。
びらん(ただれ)
かさぶたやフケのような鱗屑を無理に剥がすと、表面がただれて浸出液が出ることがあります。
色素沈着・黒褐色~淡褐色のまだら状の色素斑
「色素型」と呼ばれる症状で、黒褐色の不均一な色素斑が生じることがあります。シミやホクロのようにも見え、表面が少し盛り上がってカサカサすることもあり、悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ:メラノーマ)との見極めが必要になるケースもあります。
かゆみや痛みがほとんどない
Bowen病(ボーエン病)は、かゆみや痛みがほぼなく、自覚症状がないことが多いです。そのため、皮膚の変化に気づきにくい疾患です。
Bowen病(ボーエン病)の受診タイミングと判断のポイント
Bowen病(ボーエン病)は、湿疹、水虫(足白癬・爪白癬)、乾癬、日光角化症、悪性黒色腫(メラノーマ)など、さまざまな疾患と症状が類似することがあります。適切に症状を判断するためにも、気になる症状が現れた場合は、早めに皮膚科医に相談するようにしましょう。
- ・同じ部位に2~3週間以上、赤みやただれが続いている
- ・市販のステロイド外用薬を使用しても症状の改善がみられない
- ・皮膚表面がカサカサして鱗屑(皮むけ)を繰り返している
Bowen病(ボーエン病)の当院症例(30代女性)

Bowen病
(3枚目の写真は、医療用拡大鏡:ダーモスコピーで患部を拡大したもの)
Bowen病(ボーエン病)の当院症例です。
右腹部に湿疹のような症状がみられ、ステロイド外用薬を使用してもなかなか改善しないとのことで来院されました。
ダーモスコピーで拡大観察したところ、表面の鱗屑などを確認され、Bowen病が疑われました。全摘出を行い、病理組織検査でBowen病(ボーエン病)と確定診断となりました。
Bowen病(ボーエン病)と日光角化症との違い
Bowen病(ボーエン病)には症状が似た疾患が多くありますが、中でもしばしば混同されやすいのが「日光角化症」です。
Bowen(ボーエン)病は、紫外線以外の原因でも発症し、全身のどこにでも発症します。一方、日光角化症は、長年の紫外線ダメージによって生じる前がん病変で、紫外線を浴びやすい顔や手の甲などにできます。異なる疾患ですが、どちらも症状が進行すると「扁平上皮癌・有棘細胞癌」へと移行することがあります。
Bowen病(ボーエン病)の治療
Bowen病(ボーエン病)は、発症部位や大きさ、患者さんの健康状態などを考慮して、治療方法を選択します。
第一選択は、病変を切り取る外科的切除です。皮膚生検(病理検査)を兼ねており、病変部を切り取ることで診断の確定と治療を同時に行うことができます。当院では日帰り手術に対応しており、症状によっては、局所麻酔での対応も可能です。
切除が困難な部位や病変が広範囲の病変には、液体窒素による凍結療法(冷凍凝固療法)を提案することがあります。凍結療法(冷凍凝固療法)の場合、複数回の処置が必要になることもあります。
Bowen病(ボーエン病)は類似疾患が多いため、治療前の適切な診断が大切です。当院では、皮膚科専門医・がん治療認定医の資格を有する院長がダーモスコピー(医療用拡大鏡)を用いた皮膚観察と診断から治療・経過観察まで一貫して対応しています。治療後も定期的な経過観察が重要で、再発の有無を確認するため、治療後しばらくは定期的な受診を継続されることをおすすめしています。
また当院では、必要に応じて総合病院や大学病院へのご紹介も行っています。
よくある質問
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Q. Bowen病(ボーエン病)は皮膚がんですか?
Bowen病(ボーエン病)は、がん細胞が表皮の内部に留まっている状態(上皮内がん)に分類されます。
この段階では真皮への浸潤がなく、転移のリスクは低いとされています。ただし、適切な対処をせず長期間放置すると、浸潤性の「扁平上皮癌・有棘細胞癌」へ進展することがあります。「がんの前段階」という性質を踏まえ、気になる症状がある場合は早めに診察にてご相談ください。
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Q. Bowen病(ボーエン病)は、人にうつりますか?
Bowen病(ボーエン病)は、他の人にうつることはありません。
ただし、Bowen病(ボーエン病)の発症に関与することがあるヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚や粘膜の接触によって感染する可能性があるウイルスです。すべてのBowen病(ボーエン病)がHPVによるものではありませんが、陰部や爪周囲に生じた場合はHPV感染が原因のひとつとして考えられることがあります。
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Q. Bowen病(ボーエン病)は、治療後に再発することはありますか?
外科的切除でBowen病(ボーエン病)を治療した場合でも、別の部位に新たな病変が生じることがあります。
また、液体窒素による凍結療法(冷凍凝固療法)などを選択した場合は、同部位での再発の可能性もあるため、治療後も定期的に経過観察することが重要です。再発の早期発見のためにも、治療終了後しばらくは定期的に受診するようにしてください。
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Q. 外科的切除による治療は痛いですか?入院は必要ですか?
当院での外科的切除は「日帰り」で行っており、局所麻酔を使用しています。
麻酔注射の際に一時的なチクッとした感覚はありますが、切除中の痛みは最小限になるよう努めています。手術は、基本的に入院の必要はありません。ただし、病変の部位や大きさによっては対応が異なることがありますので、まずは診察でご相談ください。
Bowen病(ボーエン病)の関連項目
Bowen病(ボーエン病)に似た疾患に関する以下の項目もぜひ参考にしてみてください。
記事制作監修
成増駅前かわい皮膚科
院長 河合 徹














