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日光角化症(にっこうかくかしょう)

日光角化症とは

日光角化症(にっこうかくかしょう)とは

日光角化症
(下の写真は、医療用拡大鏡:ダーモスコピーで患部を拡大したもの)

 日光角化症(にっこうかくかしょう)とは、長年にわたる紫外線ダメージによって皮膚の表皮細胞が異常な変化を起こす、皮膚がんの一歩手前の状態(前がん状態)にあたる疾患です。

 「光線角化症」「老人性角化症」とも呼ばれ、60歳以上の方に多くみられます。また、紫外線を浴びる機会の多い職業(農業・漁業・建設業など)に従事してきた方は、比較的若い年齢から発症することがあります。日本では、60歳以上の方の約0.5~2%程度が発症しているといわれています。

 日光角化症は感染する疾患ではありませんが、稀に時間の経過とともに「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)・有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)」へと移行することがあるため、早期発見・早期治療が重要とされています。

日光角化症の症状

 日光角化症は、長年日光を浴びてきた部位に現れることが多く、額、鼻、頬、耳の後ろ、頭部(特に薄毛の方)、手の甲、前腕などに生じやすいとされています。初期段階では「シミが少しざらざらしている」「かさぶたのようなものが繰り返しできる」といった軽度の変化から始まることが多く、自覚症状がないことが多いです。

カサカサとした角質やかさぶた

 皮膚表面が粗く、カサカサとしたかさぶた状のものが現れます。色は薄い茶色から赤みを帯びた茶色、まれに暗褐色のこともあります。直径は数mmから1〜2cm程度のものが多いです。

厚い角質(角化性丘疹)

 皮膚の表面が厚くなり、白っぽいかさぶたのような角質が付着することがあります。無理に剥がすと赤みや出血が生じることがあるので注意しましょう。

かゆみ・ひりひり感

 日光角化症の多くは無症状ですが、稀に、患部に軽いかゆみや刺激感を感じることがあります。

 日光角化症には、シミ(老人性色素斑:日光黒子)や脂漏性角化症(老人性イボ)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)など、症状が似ている皮膚疾患が多くあります。自己判断は難しいため、症状が気になるときは皮膚科医に相談しましょう。

  • ・顔や手の甲に、カサカサ、ざらざらとした茶色いシミができている
  • ・シミやかさぶた状のものがだんだん大きくなっている、または色が濃くなってきたと感じる
  • ・患部のかさぶたを取ってもすぐに再発する、また出血しやすい
  • ・長年屋外での作業や日光を多く浴びる生活をしてきた方で、顔や手の甲などに気になる皮膚の変化が起きている

 日光角化症の治療は、病変の数・範囲・患部の状態によって変わってきます。

 主な治療法としては、液体窒素を用いた凍結療法(冷凍凝固療法)で、患部を凍らせることで異常な細胞を取り除きます。凍結療法(冷凍凝固療法)は、複数回の処置が必要になることがあります。また、病変が複数箇所にあったり、凍結療法が難しい部位に発症していたりする場合は、外用薬による治療を選択することもあります。いずれの治療法も、治療後の経過観察が大切です。日光角化症は、治療後も新たな病変が生じることがあるため、定期的なフォローアップが必要となります。

 また、日焼け止めの使用、帽子・長袖の着用といった紫外線対策を継続することが、再発防止において重要です。
 
 当院では、皮膚科専門医・がん治療認定医の資格を持つ院長が診察を担当しており、日光角化症・前がん状態の病変についても適切に対応しています。ダーモスコピー(医療用拡大鏡)を用いた精密な皮膚観察を行うほか、視診だけでは判断が難しい早期の変化についても、丁寧に診察しています。さらに、症状によっては提携病院を紹介するなどしてより専門的な治療をスムーズに受けていただくことも可能です。

  • Q. 日光角化症を放置するとどうなりますか?

    日光角化症を放置すると、「扁平上皮癌・有棘細胞癌」と呼ばれる皮膚がんに移行することがあります。

    移行するリスクは症例によって異なりますが、日光角化症そのものは「前がん状態」と位置づけられているため、早期に治療を行うことが重要とされています。長年、紫外線に浴びる生活をしている方で、皮膚に気になるシミやかさぶた状のものができてるようなら、一度皮膚科に相談することをおすすめします。

  • Q. 日光角化症と普通のシミの見分け方はありますか?

    目視のみでは、日光角化症と老人性色素斑(いわゆる「シミ」)を区別することは、医師であっても難しい場合があります。

    日光角化症の特徴として「表面がカサカサ・ざらざらしている」「触るとわずかに盛り上がりがある」「かさぶた状のものが繰り返しできる」などの症状が挙げられますが、確実な診断にはダーモスコピー(医療用拡大鏡)や、必要に応じて組織検査が必要になります。

    気になる症状があるときは、自己判断せず、早めに診察にてご相談ください。

  • Q. 凍結療法(液体窒素)は痛いですか?また、何回通院が必要ですか?

    液体窒素による凍結療法は、処置中にチクッとした痛みや、じんわりとした熱感・ひりひり感があります。

    治療後しばらくは赤みや水ぶくれが生じることがありますが、時間の経過とともに落ち着いていくことがほとんどです。通院回数は病変の状態や反応によって異なり、1回~数回の処置が必要になることがあります。日光角化症の症状には個人差があるので、詳しくは診察時に、症状に合わせて判断させていただきます。

  • Q. 凍結療法(液体窒素)での治療後、色素沈着はしますか?

    凍結療法など治療後、一時的に色素沈着が生じることがありますが、時間の経過とともに目立たなくなることがほとんどです。

    ただし、肌質などによって経過は異なり、治療を行った部位のみでなく、その周辺にも新たな病変が生じることがあります。そのため、当院では治療後も定期的な通院をお願いしており、適切なフォローアップを行っています。

 日光角化症に似た疾患に関する以下の項目もぜひ参考にしてみてください。




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