痒疹(ようしん)
痒疹とは

症例出典:『皮膚科Q&A:痒疹・かゆみ』公益社団法人日本皮膚科学会
痒疹の症状
痒疹の初期症状は、虫刺されや湿疹との区別がつきにくいことがあります。症状が数週間以上続いたり、再発を繰り返したりする場合は、自己判断で市販薬などを使ったりせず、早めの診察が必要です。
硬いしこり・結節(けっせつ)
皮膚の表面に半球状の硬い盛り上がり(丘疹・結節)が生じます。直径数ミリから1センチ前後のものが多く、表面が角化してかさぶた状になることもあります。
強いかゆみ
かゆみは非常に強く、夜間に悪化することがあります。搔き続けることで皮膚が厚く硬くなり(苔癬化)、さらに症状が長引く場合があります。
体の広範囲に広がるしこり
腹部・背中・腕・脚など、体の比較的広い範囲に複数の結節が散在することがあります。顔や頭皮に生じる場合もあります。
色素沈着・瘢痕
皮膚を搔くことで傷ができます。さらにそれを繰り返すことで、茶褐色の色素沈着や小さな凸凹した瘢痕が残ることがあります。
痒疹の受診タイミングと判断のポイント
痒疹は、蕁麻疹(じんましん)・アトピー性皮膚炎・疥癬(かいせん)・皮膚リンパ腫など、症状が類似する疾患が多くあります。類似疾患との判別ためにも、次のような症状がある場合は、早めに皮膚科医に相談するのをおすすめします。
- ・虫刺されや湿疹に似た赤みやしこりが、2~4週間以上続いている
- ・市販のかゆみ止めを使っても改善がみられず、夜もかゆみで眠れない
- ・体のあちこちに硬いしこりが複数でき、搔いてもかゆみが落ち着かない
- ・アトピー性皮膚炎や慢性腎疾患など基礎疾患をお持ちで、新しいしこりやかゆみが現れた
痒疹の治療
痒疹の治療は、保険診療で行うことができます。
痒疹の治療の基本は、かゆみを抑えて「搔きむしる」の悪循環を断ち切ることです。ステロイド外用薬(塗り薬)を中心に、抗ヒスタミン薬(かゆみ止めの内服薬)を併用することが多く、硬い結節に対してはステロイドの局所注射が有効な場合があります。症状が広範囲にわたる場合や重症の場合には、ステロイド内服薬や、ナローバンドUVB療法(光線療法)を用いることもあります。
また、アトピー性皮膚炎が関係している場合は、アトピー性皮膚炎に対する治療(デュピクセントなど)を併せて行うことで改善が期待できることがあります。
痒疹は慢性化しやすい皮膚疾患のため、症状が落ち着いた後も一定期間の継続的なケアが大切です。数ヶ月単位での治療となることもありますが、根気よく治療を続けることが重要です。
当院では、皮膚科専門医・アレルギー専門医の資格を有する院長の下、必要に応じてダーモスコピーや光学顕微鏡による検査を行い、正確な診断に努めています。些細なことでも気になる症状があった際は、気軽にご相談ください。
よくある質問
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Q1. 痒疹は放置するとどうなりますか?
痒疹を放置すると、かゆみによって搔き続けることで皮膚がさらに厚く硬くなり(苔癬化)、症状が慢性化することがあります。
また、搔き傷から細菌が入り、とびひ(伝染性膿痂疹)などの二次感染を引き起こすリスクが高まります。色素沈着や瘢痕が残りやすくなることもあるので、早めに受診して適切な治療を開始することで、症状の長期化を防ぐことが期待できます。
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Q2. 痒疹はうつりますか?
痒疹そのものは、他の人にうつる感染症ではありません。
ただし、虫刺されや疥癬が原因で痒疹に似た症状が現れている場合は、感染するリスクがあります。虫刺され、疥癬、痒疹は、一見しただけでは判断するのが難しいため、「痒疹かどうか分からない」という時は、早めに受診してご相談ください。
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Q3. 痒疹は、市販薬で治りますか?
初期段階では、市販の抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬で、一時的に症状が緩和することもあります。
しかし、痒疹の結節は皮膚の深い部分まで症状が進行していることが多く、市販薬だけでは充分な改善が難しいことが多いです。かゆみなどの症状が2~4週間以上続く場合は、皮膚科医に相談して、適切な治療を受けることをおすすめします。
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Q4. 痒疹とアトピー性皮膚炎はどう違うのですか?
痒疹とアトピー性皮膚炎はどちらも強いかゆみを伴いますが、痒疹は硬い結節(しこり)が散在するのが特徴です。
また、アトピー性皮膚炎が慢性化・悪化した結果として、痒疹(結節性痒疹)を合併することがあります。痒疹とアトピー性皮膚炎は見た目だけでは区別がつきにくく、治療方針も異なるため、自己判断せずに皮膚科で診断を受けることが大切です。当院では、皮膚科専門医・アレルギー専門医の資格を有する院長の下、適切な診断と治療の提案を行っていますので、気になる症状があれば気軽にご相談ください。
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Q5. 痒疹の治療はどのくらいの期間がかかりますか?
痒疹の治療期間は、症状の程度や原因によって異なります。軽症であれば数週間で症状が落ち着いてくることもありますが、慢性化した結節性痒疹では数ヶ月以上の治療が必要になることもあります。
痒疹は、途中で治療をやめてしまうと再発しやすいため、症状が改善してきた後も、医師の指示に従って治療を継続することが重要です。
痒疹の関連項目
痒疹に似た疾患に関する以下の項目もぜひ参考にしてみてください。
記事制作監修
成増駅前かわい皮膚科
院長 河合 徹














