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パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎・かぶれの検査)

 一般的に「かぶれ」と呼ばれている、アレルギー性接触皮膚炎の原因物質(アレルゲン)を特定する検査方法がパッチテストです。

 原因物質(アレルゲン)と推測される物質を皮膚に貼り付け、アレルギー反応が起こるかどうかを調べます。

 当院では、日本人に起こりやすい原因物質であるジャパニーズスタンダードアレルゲンのうち、22種類を一度に検査できる「パッチテストパネル®(S)」によるパッチテストを行っています。

目次

アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)とは

 皮膚に何かしらの物質が触れることで、その刺激がアレルギー反応となって炎症を起こす、皮膚炎のひとつです。いわゆる「かぶれ」のことを指します。

 アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)は、「遅延型(IV型)アレルギー反応」と呼ばれるグループに分類されます。

 例えば、最初は皮膚トラブルなく使っていた化粧品が、毎日使い続けることで刺激となり、接触皮膚炎を起こすことがあります。このように原因となる物質に触れてすぐ症状が現れるのではなく、数時間、数日経過してから症状が現れるのがアレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の特徴です

アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の症状(ゴム手袋による刺激性接触皮膚炎の症状)

ゴム手袋による刺激性接触皮膚炎の症状

 アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)は、原因物質(アレルゲン)を避けることが治療の近道となるため、原因物質(アレルゲン)を特定することが最も重要となります。

 アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の詳細については、以下の項目を参考にしてください。

接触皮膚炎(かぶれ)

症例出典:『皮膚科Q&A:かぶれ』公益社団法人日本皮膚科学会

【保険適応】パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)

 化粧品などに含まれるアルコールや香料、防腐剤、ゴム製品に含まれる樹脂、毛染めの原料など、アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の原因として推定される物質はさまざまです。

 パッチテストでは、数ある原因物質の中でもジャパニーズスタンダードアレルゲンと呼ばれる物質をシール状のパッチに含ませ、皮膚に直接貼ることで、アレルギー反応が生じるかどうかを調べます。

 当院のパッチテストは保険適応となっており、ジャパニーズスタンダードアレルゲンのうち22種類の物質を1度に検査できる佐藤製薬社製の「パッチテストパネル®(S)」を使用しています。

【保険適応】パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)

日本皮膚免疫アレルギー学会が選定した日本人に起こりやすい原因物質(アレルゲン)のこと。

パッチテストの検査項目

硫酸ニッケル 金属
ラノリンアルコール 油脂
フラジオマイシン硫酸塩 抗生物質
重クロム酸カリウム 金属
カインミックス
(アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、
テトラカイン塩酸塩)
局所麻酔剤
香料ミックス
(α-アミルシンナムアルデヒド、イソオイゲノール、
ケイ皮アルデヒド、オイゲノール、ケイ皮アルコール、
ヒドロキシシトロネラール、ゲラニオール、オークモス)
香料
ロジン
(精製松脂)
樹脂
パラベンミックス
(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、
パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、
パラオキシ安息香酸ベンジル)
防腐剤
ペルーバルサム 樹脂
金チオ硫酸ナトリウム 金属
塩化コバルト 金属
p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂 樹脂
エポキシ樹脂 樹脂
カルバミックス
(ジフェニルグアニジン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛) 
ゴム硬化剤
黒色ゴムミックス
(N-イソプロピル-N’-フェニルパラフェニレンジアミン、
N-シクロヘキシル-N’-フェニルパラフェニレンジアミン、
N,N’-ジフェニルパラフェニレンジアミン)
ゴム老化防止剤
イソチアゾリノンミックス
(5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン)
防腐剤
メルカプトベンゾチアゾール ゴム硬化剤
パラフェニレンジアミン 染料
ホルムアルデヒド
(N-ヒドロキシメチルスクシンイミド)
防腐剤
メルカプトミックス
(モルホリニルメルカプトベンゾチアゾール、
N-シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド、
ジベンゾチアジルジスルフィド)
ゴム硬化剤
チメロサール 水銀化合物
チウラムミックス
(テトラメチルチウラムモノスルフィド、
テトラメチルチウラムジスルフィド、
ジスルフィラム、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド)
ゴム硬化剤

引用:佐藤製薬『パッチテストパネル®(S)』アレルゲン一覧より

パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)の流れ

パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)の流れ1

ドクター診察・カウンセリング
 まずは診察にて症状などをお伺いし、パッチテストが適応かどうかの診断を行います。

パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)の流れ2

パッチテスト(1回目検査)
 22種類の試薬を含むパッチを背中に貼ります。パッチは、48時間貼りつけたままにします。

パッチを剥がすまでは、入浴や汗をかくような運動は控えるようにしましょう。

パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)の流れ3

2日後(48時間後、1回目判定)
 パッチを貼ってから2日後、判定のためにご来院いただきます。
 パッチを剥がし、30分~1時間おいてから、皮膚の状態を診察します。
 新たにパッチはしませんが、検査が終了するまで、検査部位をこすったり、強く洗ったりなどしないよう注意しましょう。

パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)の流れ4

3日後(72時間後、2回目判定)
 再度ご来院いただき、皮膚の状態を診察します。
 パッチを貼った部分の炎症、かぶれ状態から、アレルゲンとなる物質を特定します。

皮膚の状態によって、4日後(96時間後)に3回目の判定を行うことがあります。 この日の判定後から、テスト部分も含めシャワーが可能となります。

パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)の流れ5

5~7日後(3回目判定)
 反応状態に応じて、3回目の判定を行うことがあります。

アレルギー性接触皮膚炎の判定基準

 パッチテストで陽性反応がでると、以下のようなアレルギー反応を示します。物質ごとの反応状態を見極め、原因物質(アレルゲン)を特定します。

アレルギー性接触皮膚炎の判定基準 アレルギー性接触皮膚炎の判定基準

パッチテストのスケジュール例

 判定の1回目(2日後)、2回目(3日後)後のいずれかが、日曜日や祝日の場合は、検査を行うことができません。

 また、検査当日から2回目判定(3日後)を終えるまでは、パッチテスト部分(背中)を濡らすことはできません。入浴はできませんが、下半身などのシャワー浴は可能となっています。

 図のスケジュール例を参考に、あらかじめ、検査後のご予定を確認の上、検査を受けるようにしてください。

パッチテストのスケジュール例

パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)の注意事項

・パッチを貼っている間は、検査部位を濡らさないよう注意してください。入浴や汗をかくような運動も控えてください。試薬が流れてしまい、適切な判定ができなくなります。

・2日後(1回目判定後)は、検査部位を濡らしても大丈夫ですが、強くこすったりしないようにしてください。

・抗ヒスタミン剤やステロイド剤を内服をしていると、正確な判定ができなくなります。内服している方は、事前診察の際にお伝えください。パッチテストの3日前から判定終了まで、内服を中止する必要があります。

・塗り薬などの外用薬を使用中の場合、検査部位でなければ、使用を続けても問題ありません。

・パッチテスト開始から判定終了までの日程がずれてしまうと、正しい判定ができなくなります。また、炎症やかぶれなどが生じた場合、迅速な処置ができなくなり、症状が悪化してしまうこともあります。パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)をご希望の方は、事前にスケジュール調整をしていただき、予定通りに受診していただくようお願いいたします。

・陰性(問題なし)と判断された場合でも、パッチテスト以外の条件下でアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性は否定できませんので、あらかじめご了承ください。

接触皮膚炎(かぶれ)

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