ほくろ除去は皮膚科と美容外科のどっち?選ぶポイントを徹底解説

「ほくろを取りたい」と思ったとき、皮膚科と美容外科のどちらを受診すべきか迷う方は少なくありません。実際、ほくろの状態や目的によって適した診療科は異なります。
例えば、保険適用を希望する場合は皮膚科が基本ですが、見た目の仕上がりを重視して美容外科を選ぶ方もいます。
ほかにも皮膚科と美容外科を比較する際のポイントを知っておくと、ほくろ除去の受診先に迷った時に役立つでしょう。
この記事では、治療法の違いや保険適用の条件、傷跡への配慮などを踏まえ、皮膚科と美容外科のどちらを選ぶべきか、判断のポイントなどについて紹介します。
ほくろ除去で診療科を迷っている方は、ぜひ参考になさってください。
ほくろ除去の基本と治療法の種類

ほくろ除去を検討する際は、まず「どのような状態のほくろなのか」「どんな方法で除去するのか」といった、基本的な情報を把握しておくと適切な診療科を選びやすくなります。
ここでは、ほくろ除去の基本と治療法の種類について紹介します。
「ほくろ」の概要
ほくろは皮膚のメラニン色素をつくる細胞が局所的に集まり、盛り上がりや色素沈着を起こしたものです。
ほくろには先天性と後天性のものがありますが、後天性の場合、以下のようなことが代表的な原因として挙げられます。
- 紫外線
 - 加齢
 - ホルモンバランスの乱れ など
 
色や形、大きさはさまざまで、多くは良性ですが、まれに悪性黒色腫(メラノーマ)のように、皮膚がんと見分けがつかないこともあります。
特に、急激に大きくなる、色が濃くなる、ほくろと肌の境界が不明瞭になるといった変化がある場合には、放置せず皮膚科を受診してください。
保険適用されるほくろの種類
医師が「医学的除去が必要」と判断した場合、健康保険の適用になります。例えば、以下のような場合は健康保険の対象になるケースが多いです。
- 悪性腫瘍の可能性があるほくろ
 - 出血、かゆみ、痛みがある
 - 日常生活に支障をきたす など
 
また、部位や状態によっては服での摩擦や外部からの刺激を受けやすく、炎症や感染のリスクが心配される場合には、除去が推奨されます。
一方で、「見た目が気になる」といった審美的な理由だけでは保険適用にはなりません。
主な除去方法の種類
ほくろの除去にはいくつかの方法があり、形状や大きさ、部位、良性・悪性の判断、患者さんの希望などによって選択されます。以下が代表的な除去方法です。
- 切開法
 - 炭酸ガスレーザー
 - 電気メス
 
大きかったり深かったりするほくろを除去する場合、メスで切開することでほくろを根元から除去でき、再発の可能性も低い傾向があります。
美容目的の場合は、ほくろの状態にもよりますが、炭酸ガスレーザーや電気メスによるほくろ除去が行われることが多いです。
特に、炭酸ガスレーザーは傷跡が残りにくいメリットがあります。
目的で変わる「保険診療」と「自由診療」
ほくろ除去では、目的に応じて保険診療と自由診療のどちらになるかが変わります。
医師がほくろの除去が必要と判断した場合は、診察・検査・除去手術に健康保険が適用されます。
一方で、前述の通り、見た目の改善を目指す審美的な目的の場合は自由診療になり、公的な健康保険は適用されません。
しかし、美容外科や美容皮膚科などでの自由診療では、傷跡や形の美しさに配慮した治療が受けられることが大きな特徴です。
自分のほくろが保険診療と自由診療、どちらのケースに当てはまるのかわからない場合は、保険診療と自由診療のどちらも対応している皮膚科・美容皮膚科で相談してみるといいでしょう。
再発や傷跡への理解も重要
ほくろ除去はどの方法であっても再発のリスクがゼロではありません。
しっかりほくろを取りきらないと、深部に残った細胞から再びほくろが現れる可能性があります。
また、切除を行った場合には傷跡が残ることもあり、部位や個人差によっては目立つ恐れもあります。
美容外科では傷跡を目立ちにくくする工夫が施されますが、より美しい状態に保つためには、術後に紫外線を避けたり患部を清潔に保ったりなどのセルフケアも重要です。
皮膚科で受けられるほくろ除去の特徴

ほくろ除去で一般的な皮膚科を選んだ場合、保険診療や医療体制が整っているためスムーズな対応が可能であることなど、さまざまな特徴があります。
ここでは、皮膚科で受けられるほくろ除去の特徴について紹介します。
保険診療で受けられる治療が多い
皮膚科でのほくろ除去は、保険診療に対応している治療が多く見られます。
例えば、悪性腫瘍の疑いがある場合や、ほくろが出血したり引っかかって傷になるなど、生活に支障をきたすと判断された場合には保険適用される可能性が高いです。
これは病気、疾患としての扱いになるためです。治療費の一部が健康保険で賄われるため、費用面が気になる患者さんでも受診しやすいでしょう。
検査・診断を前提とした医療
皮膚科でのほくろ除去は、まず医師による精密な診察・診断を受けることから始まります。
美容外科でも医師の診察や診断は行われますが、皮膚科の場合、悪性黒色腫のような重大な疾患も対応範囲内のため、医学的な見方をより重視した診察です。
重大な疾患が疑われる場合、良性か悪性かを判断するために、ダーモスコピーのような専門の精密検査機器を用いて検査し、必要に応じて病理検査も提案されます。
このように、皮膚科では「見た目が気になるから除去する」といった審美的な対応ではなく、医学的な見方に基づいた方針で治療が進められる点が特徴です。
手術が必要な場合でもスムーズな体制
皮膚科では、外科的な施術を必要とする治療にも対応できる医療体制を整えています。
特に総合病院や専門クリニックでは、外科処置が可能な医師が常駐していることも多く、悪性の疑いがあるほくろに対して、迅速で適切な処置が可能になっています。
局所麻酔を使用して切除手術を行い、取り除いた組織はそのまま病理検査に回されることが一般的です。
このように、診断から治療、術後の確認まで一貫して対応できる点は、ほくろ除去治療を皮膚科で受けるメリットです。
また、基本的に健康保険が適用されるため、費用の負担を抑えられる点もメリットでしょう。
傷跡や仕上がりはやや後回しになる可能性
皮膚科でのほくろ除去は、あくまで医療としての治療が優先されるため、傷跡の仕上がりについては美容外科よりも満足できないケースもあります。
特に悪性の可能性がある場合や、完全に取り除く必要があると診断された場合は、傷の目立ちにくさよりも治療の確実性が優先されやすい点は理解しておきましょう。
美しい仕上がりを重視したい場合には、自由診療でのほくろ除去も視野に入れるとよいでしょう。
美容外科でのほくろ除去の特徴

美容外科では、見た目の仕上がりや施術内容の自由度を重視しながらほくろ除去が可能です。そのため、審美的な点が気になる患者さんにもおすすめです。
ここでは、美容外科で受けられるほくろ除去の特徴について紹介します。
美容目的の自由診療が基本
美容外科でのほくろ除去は、主に見た目の改善が目的になることが多いです。
そのため健康保険が適用されず、費用は全額自己負担になりますが、施術の内容やタイミングを柔軟に決められるメリットがあります。
施術後の仕上がりや患者さんの満足度を重視する体制が整っているため、自分の希望を反映した処置を受けたい場合に向いています。
傷跡を目立たなくする処置も重視
美容外科では処置そのものだけでなく、術後の見た目に配慮した治療法が採用されており、使用される機器や縫合法、治療後のケアも含めてトータルで仕上がりを考えた対応が取られます。
炭酸ガスレーザーや電気メスなど、皮膚への負担を抑えるための技術が用いられ、切除が必要な場合でも可能な限り傷跡が目立たせないことが重視されます。
また、施術後の炎症や色素沈着を防ぐアフターケアも丁寧に行われるため、より美しく目立たない仕上がりを希望する患者さんも、満足度が高くなるでしょう。
治療法の選択肢が多い
患者さんのライフスタイルや美容上の要望、費用面も考慮した上で、医師と相談しながら治療法を選べる環境が整っているのも美容外科の特徴です。
主な施術法には炭酸ガスレーザー、電気メスなどがあり、それぞれに仕上がりの美しさやダウンタイムの長さなどの違いがあります。
例えば、浅いほくろであれば短時間で処置が済む炭酸ガスレーザーが、盛り上がったほくろの場合は電気メスによる切除法が提案されるなど、幅広い治療の選択が可能です。
満足度の高い見た目になりやすい
美容外科でのほくろ除去では、美しさを重視するため、仕上がりに満足感を得やすいことも見逃せないメリットです。
特に顔など人目に触れやすい部位にある場合、できるだけ自然な見た目を保つように処置されるため、術後の印象に違いが生まれます。
除去方法だけでなく、術後の皮膚の色調や質感にも気を配ったケアが行われ、時間が経過しても違和感が出にくい点も特徴です。
施術前には丁寧なカウンセリングが行われるため、仕上がりの希望や気になることがあればなんでも医師に相談してみましょう。
ほくろ除去なら皮膚科と美容外科のどっち?

皮膚科と美容外科にはそれぞれに得意分野や診療体制があり、ほくろ除去をする際には目的や状態に応じて選ぶと理想の結果に近付きます。
ここでは、診療科を選ぶ際の基準について紹介します。
健康保険が使えるかどうか
費用面を重視する場合、健康保険が適用されるかどうかは重要な判断要素のひとつです。
一般的に、皮膚科では悪性の可能性がある場合や、出血やかゆみなど生活に支障をきたす症状がある場合に保険診療の対象になります。
一方、美容外科でのほくろ除去は見た目の改善を目的とした自由診療が基本となり、健康保険が適用されません。
そのため、費用を抑えたい場合や、まず病的なリスクを調べたい場合には、皮膚科を受診するとよいでしょう。
逆に、最初から審美的な目的で、保険の有無に関係なく施術内容を自分で選びたい人には美容外科が向いています。
傷跡の見た目を考慮
目的が治療なのか、見た目の改善なのかによっても、適した診療科が異なります。
ほくろに異常があり、医療的な治療が必要な場合は皮膚科をおすすめしますが、「顔にある大きなほくろを取りたい」など、見た目の改善が目的の場合は、美容外科が向いているでしょう。
美容外科では見た目の自然さや傷跡の残りにくさに配慮した施術が行われ、使用する機器や術後のケアにも違いがあります。
「診断→除去」の分業もおすすめ
見た目と健康面の安心感のどちらも重視したい場合には、最初に皮膚科を選び、必要に応じて美容外科へ行く分業方法もおすすめです。
まず皮膚科で診察を受け、悪性の疑いがないことを確認した後、美容外科で見た目を重視した除去治療を受けるとよいでしょう。
この流れであれば、健康面の安心感と美容的な仕上がりの両立を実現できます。
自由診療のほくろ除去にも対応している皮膚科を選べば、複数のクリニックに通う必要がなくスムーズです。
大きさや深さで判断が変わるケースも
ほくろの大きさや深さによって、適した治療法や診療科が変わる場合があります。
例えば、浅くて小さいほくろであれば、炭酸ガスレーザーや電気メスなどによる短時間の処置が可能であり、美容外科でも対応しやすいケースです。
しかし、大きく深いほくろの場合には、メスによる切除と縫合が必要になる可能性があるため、まずは皮膚科で相談したほうがよい場合もあります。
まとめ
ほくろ除去を考える際は、皮膚科と美容外科の違いを把握して、自分の目的に合わせて選択しましょう。
健康保険の適用や悪性の診断を重視するなら皮膚科、仕上がりや見た目を優先したい場合は美容外科が向いています。
また、診断と施術を別の医療機関で行う方法もおすすめです。費用、仕上がり、治療方針などを比較し、納得のいく選択をしましょう。
成増駅前かわい皮膚科では、医療的なアプローチをする一般皮膚科、美容面を重視した美容皮膚科の両方に対応しています。
ほくろ除去で「どちらを受診すればいい?」「医療面も美容面も気になる」などの疑問がある患者さんでも、スムーズな対応が可能です。
ほくろ除去に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
記事制作監修
            成増駅前かわい皮膚科
院長 河合 徹
                












