首のイボはなぜできる?自己処理せずに皮膚科で治療を!

首元にぽつぽつとしたイボができ、気になっている人は少なくないでしょう。
イボは年齢とともに目立ちやすくなり、見た目の印象にも影響するため、気になる場合は早めの対処をおすすめします。
とはいえ、自分で取り除こうとすると肌を傷つけたり、傷跡が残ったりする恐れがあるため、皮膚科での適切な治療が望ましいです。
傷跡が気になる場合には、一般皮膚科ではなく美容皮膚科によるレーザー治療も視野にいれてみてはいかがでしょうか。
この記事では、首イボの特徴や原因、受診の目安、傷跡を目立たなくする治療法「CO2レーザー」と「スキャナ付きCO2レーザー」などについて紹介します。
イボの原因や対処法、治療法を探している人はぜひ参考になさってください。
首にできるイボの正体は?

首イボにはいくつかの種類があり、見た目や原因も異なります。
ここでは、それぞれの特徴と、皮膚科での治療をおすすめする理由などについて紹介します。
首イボの種類と見た目の特徴
首にできるイボの多くは「アクロコルドン」「軟線維腫」「脂漏性角化症」などの良性腫瘍です。
アクロコルドンは皮膚と同じような色合いで、2〜3mm程度の柔らかい突起として現れるイボです。
軟線維腫はもう少し大きめで、肌色〜褐色のぶら下がるような形をしています。
脂漏性角化症はやや硬めで、表面がザラザラしており、色も濃くなることが多いです。
これらの首イボは見た目だけで種類を判断するのが難しいため、皮膚科で医師の診断を受けることをおすすめします。
原因は加齢・摩擦・紫外線などの刺激
首イボができる背景には、加齢や皮膚への慢性的な刺激が関係しています。
特に加齢による皮膚のターンオーバーの乱れは主な原因になっており、40代以降から発生することが多いです。
さらに、肥満や糖尿病がある方、衣類やネックレスによる摩擦、紫外線によるダメージも関係しています。
汗をかきやすい季節や、乾燥する冬場などの皮膚環境の変化も刺激になりやすいため、毎日の生活の中でケアしていくことが重要です。
感染性のあるイボ・ないイボ
首にできるイボの多くは非感染性ですが、中には感染するウイルス性のものも存在します。
例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因の尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、皮膚や器具を介して他人に感染する可能性があります。
一方、アクロコルドンや脂漏性角化症などは感染性がないため、周囲の人にうつることはありません。
ただし、見た目が似ているため判別が難しく、感染性の有無を確認するためには皮膚科での診察が欠かせません。
市販薬では取れないことが多い
市販のイボ治療薬は、ウイルス性のイボに効果がある成分(サリチル酸など)が主流ですが、一部を除いた首イボの多くは非ウイルス性のため、薬効が期待できません。
もともと、首は皮膚が薄くデリケートな部位であり、自己判断では適切な処置が難しい場合もあります。
市販薬では効果が出ないばかりか、逆に肌を傷めてしまうケースも少なくないため、皮膚科の受診をおすすめします。
自然に治らないため皮膚科の受診がおすすめ
首イボは基本的に自然に消えることはなく、時間の経過とともに数が増えたり、大きくなったりする可能性があります。
特にアクロコルドンなどは、初期のうちは小さくても、放置すればぶら下がるような形状に変化する場合があります。
「首にイボができたかな?」と気付いたら、早めに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。
首イボを放置するリスクと注意点

首イボは見た目の問題だけでなく、放置することで悪化する可能性があります。
ここでは、首イボを放置することで生じるさまざまなリスクと、注意したいポイントについて紹介します。
増殖・拡大するケースがある
首イボは放置しても自然に消えることはなく、むしろ数が増えたり大きくなったりするケースが珍しくありません。
特に、加齢や紫外線、摩擦などの刺激が継続的に加わることで、皮膚の代謝が乱れやすくなります。
その結果、最初は小さかったイボが徐々に目立つようになり、首全体に広がっていくことが少なくありません。
1個だけだから、小さいからと油断せず、初期の段階で皮膚科に相談しましょう。
早期の対応によって、見た目の改善だけでなく、増殖の予防につなげられます。
老けた印象につながる
首にイボができると、肌全体の印象が老けて見えることがあります。
特にアクロコルドンや脂漏性角化症は、色や大きさにばらつきがあり、肌の質感を不均一に見せる原因です。
顔をしっかりケアしていても、首にイボがあると老けた印象を与えてしまうことがあるため、外見に気を遣う人ほど、首元のケアを怠らない意識が重要です。
衣類やネックレスなどとの摩擦で悪化しやすい
首はシャツの襟やストール、ネックレスなどが頻繁に接触する部位であり、日常的に摩擦が生じやすくなっています。
このような摩擦が継続すると、イボが引っかかったり、擦れて炎症を起こしたりなど、悪化することが多いです。
特に、柔らかいタイプのイボは衣類との接触によって刺激を受けやすく、赤くなったり出血したりすることもあります。
悪化すれば治療の手間や費用も増えるため、違和感を覚えた段階で早めに皮膚科に相談しましょう。
肥満と糖尿病がリスクとなる
糖尿病の人や肥満の人は、首イボの発症リスクが高くなります。
糖尿病ではインスリンが過剰に分泌され、皮膚の細胞が増えやすくなるため、健常者よりも発症しやすい傾向です。
また、肥満の場合、首や腋など皮膚同士や衣類の摩擦が起こりやすくなり、慢性的な刺激を受けることで首イボが発生してしまいます。
糖尿病や肥満は健康に悪影響を及ぼす原因にもなるため、首イボ対策も兼ねて、病状のコントロールや生活習慣の見直しなどをおすすめします。
炎症・感染のリスクがあるため自己処理はNG
首のイボが気になる場合、自宅でハサミや爪切りを使って切除するようなことはせず、医療機関で処置を受けてください。
無理に切ったことで出血が止まらなくなったり、細菌が入って化膿したりするリスクがあるためです。
また、皮膚の深い部分が傷ついて色素沈着や凹みが残る可能性も否定できません。
さらに、感染性のあるイボだった場合、触れた部分からウイルスが広がる恐れもあります。
衛生面でも見た目の仕上がり面でも、専門的な技術のある皮膚科で治療を受けることを強くおすすめします。
首イボの治療法

首イボを除去する方法は複数ありますが、イボの種類や大きさ、数、位置によって適した治療法は異なります。また保険の適用が可能になるかどうかの違いも重要です。
ここでは、首イボの代表的な治療法について紹介します。
液体窒素(凍結療法)
液体窒素を使った凍結療法は、綿棒やスプレーを使って-196℃の極低温の液体窒素をイボに当て、組織を凍らせて壊死させます。
首イボの治療として一般的に行われており、保険が適用される方法です。
施術時間は短く、数分で終わることもあります。ただし、1回で取り切れないこともあり、その場合は何度か通院が必要です。
一方で、液体窒素による治療は、水ぶくれ、血ぶくれ、傷跡、 色素沈着になる可能性があり、特に顔面(顔のイボ)と頚部(首のイボ)は見える位置ですので、傷跡と色素沈着が目立ちやすくなるのが難点です。
切除・電気焼灼などの方法
イボが比較的大きい場合や、しっかりと根があるタイプには、メスによる切除や電気焼灼が選ばれることが多いです。こちらも保険診療の対象です。
メスでの切除は物理的に取り除くため確実性が高く、電気焼灼では熱を利用して組織を焼き、止血と同時に除去が行えます。
施術後は保護テープなどでケアを行い、傷跡が目立たないように配慮されます。
状態によっては数日の安静が必要になることもありますが、根本的な治療を希望する人には適した選択肢になるでしょう。
レーザー治療
自由診療で行われるレーザー治療は、治療とともに仕上がりの美しさを重視する場合に適しています。
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)が一般的に使用され、イボの組織を瞬時に蒸散させることで除去する仕組みです。
出血がほとんどなく、周囲の皮膚へのダメージも少なく抑えられ、麻酔クリームを併用することで施術中の痛みも軽減できます。
施術時間は短く、ダウンタイムも比較的短いため、仕事や日常生活の中で無理なく治療できます。
当院のレーザーによる首イボ治療についてはコチラをチェック。
治療法の選択はイボの状態で決まる
首イボの治療法は、見た目だけで決めるのではなく、イボの種類や大きさ、数、色調、患者さんの肌質や体質などを考慮して選ばれます。
例えば、複数の小さなイボには液体窒素が適し、大きく盛り上がったタイプには切除や焼灼、仕上がりの美しさを優先するならレーザー治療など、医師の判断と患者さんの希望も含めながらの決定が大切です。
そのほか、費用や通院回数なども含めて総合的に判断し、自分にとって最適な治療を選びましょう。
スキャナー付きCO2レーザーによるイボ除去

CO2レーザーは、従来から皮膚の隆起性病変に使用されてきた治療法ですが、近年はスキャナー機能が搭載されたことで精度と効率が向上しました。
特に首イボのようにデリケートで凹凸の多い部位には、レーザー機器が有効です。
ここでは、スキャナー付きCO2レーザーを用いた首イボ除去の特徴やメリットについて紹介します。
CO2レーザーとは?
CO2レーザーは炭酸ガスを用いた医療用レーザー機器で、皮膚組織内の水分に反応して熱エネルギーを発生させます。
首にできるイボのように、皮膚が薄く形状が複雑な部位にも適しており、出血や術後の腫れを抑えながら治療を行えることから、外科的切除に代わる選択肢として広く活用されています。
傷が残りにくく、回復も比較的早いため、治療後の見た目やスケジュールに配慮したい人に向いているでしょう。
スキャナー付きで施術の正確性がさらに向上
スキャナー機能を備えたCO2レーザーは、照射範囲と出力を自動的に調整し、皮膚表面への熱の分布を均一に保つよう制御されます。
従来の手動照射では生じやすかった照射ムラや加熱の偏りを抑え、施術者の技術をサポートする仕組みです。
特に首のように皮膚が動きやすく、形状に変化が多い部位では、レーザーの正確性が治療結果に大きく関わるため、メリットの大きい機能といえます。
スキャナーによってレーザーが一定の深さと面積を保ちながら照射され、複数のイボをまとめて処理する場合にも効率よく治療できます。
痛みやダウンタイムが少なく跡が残りにくい
スキャナー付きCO2レーザーは、熱による皮膚への影響を軽減する設計です。
出力が自動調整されることで、必要な部位のみに的確なエネルギーが照射され、周囲の組織に余計な負担をかけません。
このため、施術中の痛みは軽く、麻酔クリームもあわせて使用すればほとんど不快感を覚えずに治療を受けられることが多いです。
術後に強い赤みや腫れが出にくく、回復も比較的早いため、日常生活への影響を抑えたい人に適しています。
イボの数や大きさに応じて柔軟な対応が可能
CO2レーザーは照射パターンや出力の調整がきめ細かく行えるため、イボの大きさや数に応じて柔軟な治療計画が立てられます。
小さなイボが広範囲に点在している場合でも、スキャナー機能により短時間で均一に処理しやすくなっています。
大きさや形が不規則なイボに対しても、出力を個別に調整することで適切な除去が可能です。
このような対応力は、皮膚の状態や仕上がりの希望に合わせたオーダーメイド治療にも役立ちます。
まとめ
首イボは加齢や摩擦、紫外線などの影響で誰にでも生じる可能性があり、自然に消えることはほとんどありません。
見た目の印象を損ねるだけでなく、放置すると増殖や炎症のリスクもあるため、早期の対処が重要です。
市販薬では効果が限定的なうえ、自己処理によるトラブルも多いため、皮膚科での専門的な治療を受けましょう。
中でもスキャナー付きCO2レーザーは、仕上がりの美しさや施術の精度に優れており、複数のイボに対しても効率よく対応できる方法です。
成増駅前かわい皮膚科では、首イボの治療に効果的なスキャナー付きCO2レーザー「AcuPulse™(アキュパルス)」を導入しています。傷跡が気になる患者さんでも、美しい見た目に仕上げやすいため、心配しすぎずにご相談ください。
記事制作監修

成増駅前かわい皮膚科
院長 河合 徹