ジメジメムシムシ…水虫感染要注意~足白癬(水虫)について
水虫は「白癬菌(はくせんきん)」というカビの一種が原因で起こるもので、正式には「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれる、ケラチンというタンパク質を栄養にする皮膚のカビ感染です。
ケラチンは皮膚の表面を覆う角質層に多く含まれるため、白癬菌は主に皮膚の表面で発症します。また、毛や爪も角層が変化したものであるため、毛や爪にも白癬菌が感染する可能性があります。
足白癬は、主に3つのタイプがあります。
・趾間型(しかんがた):足指の間、これは特に薬指と小指の間に発症しやすいことが特徴です。
趾間型の足白癬はさらに皮膚がカサカサしている乾燥型と、ジクジクしている湿潤型に分けられることができます。いずれのタイプもかゆみを伴わない場合もあります。
・小水疱型(しょうすいほうがた):足の裏や側面に小さな水ぶくれが多発し、それが破れてから皮が剥けることが特徴です。趾間型と同様にかゆみを感じない場合があります。
・角質増殖型(かくしつぞうしょくがた):このタイプでは、かかとを中心に足の裏の皮膚が厚くなり、時にひび割れたり、白く粉をふいたようになることがあります。前述の2つのタイプと違い、かゆみを伴わないことが多く、比較的まれなタイプです。
足白癬は、治療を怠ると感染が手や爪、頭、胴体、股部など、体の他の部分に広がる皮膚疾患です。
また、家族など他の人にうつることもあるため、足ふきマットやタオル、スリッパ、さらに爪切りなどの家族共用を避け、こまめに洗濯・清掃し、清潔を保つすることが大事です。
白癬の診断は、見た目だけの診断では誤診になりやすく、顕微鏡による白癬菌の確認が大変重要です。
市販薬や過去に処方された足白癬の薬を使ってから検査すると、白癬菌の数が少なくなり、偽陰性(本来陽性であるものが陰性になってしまう)になる可能性が高いです。
正確な診断をするために、水虫の症状を疑ったら患部に薬剤などは何も塗らずにご来院いただくことをおすすめいたします。