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Gianotti-Crosti症候群(ジアノッティ・クロスティ症候群)とは

Gianotti-Crosti症候群は、主に生後6か月〜12歳の小児に発症するウイルス感染に関連した皮膚疾患です。四肢や顔面に特徴的な皮疹が出現し、比較的良性の経過をたどることが多いのが特徴です。

Gianotti-Crosti症候群

出典:日本皮膚科学会ホームページ Gianotti-Crosti症候群(ジアノッティ・クロスティ症候群)の症状例 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa40/q16.html

疾患概念

本症候群は、B型肝炎ウイルス(HBV)、Epstein-Barrウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、コクサッキーウイルス、RSウイルス、ロタウイルスなどの初感染が引き金となって発症すると考えられています。特にEBウイルスの関与が多いとされています。ウイルスが体内に侵入した際に免疫系が反応し、特徴的な皮疹が引き起こされると考えられています。

皮疹は突然発生し、下肢や殿部に左右対称性に現れます。3〜4mm程度の淡紅色から暗赤色の扁平丘疹が孤立性に出現し、数日以内に上肢や顔面に広がります。特に両頬部や上肢の伸側に紅色丘疹が密集し、融合することが本疾患の特徴です。体幹や手のひら・足の裏にはほとんど発疹は見られません。

かゆみは軽度であることが多いですが、B型肝炎ウイルスが原因の場合には自覚症状がほとんどないことが一般的です。また、リンパ節の腫脹、肝腫大、肝酵素の上昇、発熱、食欲低下、下痢、風邪のような症状がみられることがあります。

Gianotti-Crosti症候群(ジアノッティ・クロスティ症候群)の診断

診断は主に臨床所見を基に行われ、発疹の分布や拡がり方、患者の年齢が重要な判断材料となります。皮疹は四肢の末端部から現れ、短期間で上肢や顔面へと広がるという特徴的な経過をたどります。血液検査を行い、肝機能障害の有無やウイルス感染を確認することが推奨されます。HBV感染の場合には、肝腫大や肝酵素の上昇が認められることがあります。

Gianotti-Crosti症候群(ジアノッティ・クロスティ症候群)の治療方法

本症候群に対する特異的な治療法はなく、自然経過で軽快するため基本的には経過観察が行われます。かゆみがある場合には、抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬を使用することもあります。発疹は通常、約1か月後に軽度の落屑を伴いながら消退します。

ただし、B型肝炎ウイルスが原因の場合には、皮疹が消失した後もHBs抗原陽性が持続することがあり、慢性化する可能性があるため定期的な経過観察が必要です。

発症後の経過

Gianotti-Crosti症候群は一般的に良性の経過をたどり、皮疹が消退した後に後遺症を残すことはほとんどありません。ただし、B型肝炎ウイルスが関与している場合、肝機能の回復が遅れることがあり、慢性肝炎へ進行することもあるため、慎重なフォローアップが求められます。

ほとんどの症例では自然に改善しますが、発熱や消化器症状などの全身症状が強い場合や、症状が長引く場合には、適切な医療機関を受診することが勧められます。

参考文献

日本皮膚科学会 皮膚科Q&A

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