扁平母斑(へんぺいぼはん:茶あざ)
扁平母斑(へんぺいぼはん)は、皮膚の浅い部分(表皮)でメラニン色素が増えてできる、平らで盛り上がりのない茶色のあざです。
一般的に「茶あざ」と呼ばれ、ミルクコーヒーのような色合いから「カフェオレ斑」とも呼ばれます。
扁平母斑(へんぺいぼはん:茶あざ)の症状

症例出典:『皮膚科Q&A:アザとホクロ』公益社団法人日本皮膚科学会
数ミリから数センチの、境界がはっきりした薄茶色の色素斑で、ほくろのような盛り上がりはありません。顔に限らず、体のどこにでもできます。
多くは生まれつき、または乳幼児期に現れ、自然に消えることはほとんどありません。また、思春期以降に肩や胸などに現れ、毛を伴うことがあるタイプ(遅発性扁平母斑)もあります。
色が薄いものや小さいものは、シミやそばかすと見分けにくいため、皮膚科での診断が大切です。
- 生まれつき、または乳幼児期からある茶色のあざ
- 黒っぽくなく、ミルクコーヒーのような薄茶色をしている
- 盛り上がりがなく、形は卵円形、もしくは境界線がギザギザとしている
- 思春期以降に、肩や胸に毛を伴う茶色のあざが現れた
扁平母斑(へんぺいぼはん:茶あざ)の原因
明確な原因は分かっていません。生まれつきの皮膚の性質によって、メラニン色素をつくる細胞(メラノサイト)の働きが部分的に活発になり、メラニンが増えることで生じると考えられています。
皮膚は、「角質層」「表皮層」「真皮層」の3層から構成されており、扁平母斑(茶あざ)は、表皮層と真皮層の境界部(基底層)に、メラニンの沈着がみられるのが特徴です。
老人性色素斑(日光黒子)などのシミも、表皮でメラニンが増えている点は同じです。ただし、シミは紫外線や加齢などの影響で後から現れるのに対し、扁平母斑は生まれつきの皮膚の性質によって生じるため、「あざ(母斑)」に分類されます。

カフェオレ斑が多いとき:神経線維腫症1型(NF1)について

カフェオレ斑は、健康な方にも1〜数個みられることは珍しくありません。ただし、一定以上の大きさのカフェオレ斑が6個以上ある場合は、神経線維腫症1型(NF1、レックリングハウゼン病)の可能性を考えて、詳しく調べることがあります。目安の大きさは、思春期前で直径5mm以上、思春期以降で15mm以上です。
神経線維腫症1型(NF1)は、およそ3,000人に1人の割合でみられる遺伝性の病気です。ご両親から受け継がずに、新たに起こる方も約半数います。カフェオレ斑のほかに、次のような症状を伴うことがあります。
- わきの下や足の付け根にできる、そばかすのような小さな色素斑
- 成長とともに現れる、皮膚のやわらかいできもの
- 目、骨、神経の症状
神経線維腫症1型(NF1)の症状の多くは、年齢とともに少しずつ現れます。幼いうちは、カフェオレ斑しか見られないことも少なくありません。そのため、カフェオレ斑が多いお子さまは、小児科を中心に眼科などと連携し、成長や発達を定期的に確認していくことが大切です。目の神経の腫瘍(視神経膠腫)や、学習面・発達面の困りごとを早めに見つけるためです。
当院では、必要に応じて専門の医療機関をご紹介します。
扁平母斑(へんぺいぼはん:茶あざ)の治療
扁平母斑は健康を損なうものではないため、治療をせずに経過をみることもあります。サイズが大きい場合や、顔や手など目立つ部位にある場合は、見た目の観点から治療を行うことがあります。
治療はレーザーが中心となりますが、効果には個人差が大きく、いったん薄くなった後に色が戻る(再発する)ことも少なくありません。そのため、小さな範囲で試しに照射し、反応を確認してから治療を進めることがあります。レーザー治療で改善が難しい場合や再発を繰り返す場合は、手術による切除を検討することもあり、その際は総合病院をご紹介します。
保険診療について
扁平母斑の診察は、保険診療で行うことができます。一方、レーザー治療に健康保険が使えるのは、ルビーレーザー(Qスイッチルビーレーザーなど)を用いた場合に限られます。回数も、同じ部位につき初回を含めて2回までと定められています。
当院ではルビーレーザーを導入していないため、扁平母斑の保険でのレーザー治療は行っておりません。保険での治療をご希望の方には、ルビーレーザーを備えた医療機関をご紹介します。
自由診療について:ピコシュア®プロ(PICOSURE® PRO:ピコレーザー)

シミ(あざ)の種類と治療法
扁平母斑(茶あざ)は、シミやそばかすと間違われることも多い症状です。しかし、シミとは原因が異なり、治療法や保険の扱いも異なります。適切な診断・治療を行うためにも、ご自身で判断せず、気になる症状があった際は、まずは診察にてご相談ください。
他のシミやあざについては、以下のページも参考にしてみてください。
シミの種類と治療法
記事制作監修
成増駅前かわい皮膚科
院長 河合 徹














