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皮膚そう痒症(ひふそうようしょう)

皮膚そう痒症とは

皮膚そう痒症(ひふそうようしょう)とは

 皮膚そう痒症(ひふそうようしょう)とは、湿疹や蕁麻疹などの目立った皮膚病変を伴わないにも関わらず、全身または体の一部に慢性的なかゆみが生じる疾患です。

 「かゆみ」そのものが主な症状であるため、『気のせい』『病気ではない』と見過ごされやすい疾患ですが、皮膚の乾燥(乾皮症)、加齢、糖尿病や肝疾患などの内臓疾患、服用中の薬剤など、さまざまな原因が関係していることがあります。特に高齢者の方に多くみられ、睡眠の妨げや日常生活への影響につながることもあります。

 かゆみが2週間以上続く場合は、皮膚科を受診して原因精査することをおすすめします。当院では、かゆみの原因を丁寧に調べた上、一人ひとりに最適な治療法を提案しています。

皮膚そう痒症の症状

 皮膚そう痒症では、以下のような症状がみられることがあります。

発疹のないかゆみ

 皮膚の表面には目立った赤みや湿疹がないのに、持続的なかゆみを感じます。皮膚を掻くと皮膚が傷ついて引っかき傷(掻破痕)ができたり、色素沈着や皮膚が厚くなったり(苔癬化)することがあります。

全身性・局所性のかゆみ

 背中・すね・腕など特定の部位だけにかゆみが出る場合(局所性)と、全身にかゆみが広がる場合(全身性)があります。全身性の場合は、内臓疾患や薬剤が関与していることがあります。

夜間の強いかゆみ

 就寝前後に体が温まるとかゆみが強まることがあります。かゆみによって夜中に目が覚めるなど睡眠に影響が出ることがあり、その結果、体調を崩してしまう方もいます。

乾燥による皮膚のごわつき・ひび割れ

 特に高齢者の方では、加齢によって皮脂や水分の分泌が低下するため、皮膚が乾燥し(乾皮症)、かゆみが生じやすくなります。冬場や空調の効いた室内で症状が強まる場合があります。

かゆみの波・季節変動

 入浴後や発汗時、季節の変わり目(特に乾燥する秋~冬)に症状が強くなることがあります。

 皮膚そう痒症は、アトピー性皮膚炎接触皮膚炎(かぶれ)疥癬(かいせん)蕁麻疹(じんましん)など、かゆみを伴う他の皮膚疾患と症状が似ていることがあります。類似疾患との正しく判別するためにも、「かゆみがおさまらない」など気になる症状が続く場合は、早めに皮膚科医に相談することをおすすめします。

  • ・かゆみが2週間以上続いているにも関わらず、皮膚に明らかな発疹や湿疹がみられない
  • ・市販の保湿剤や塗り薬(抗ヒスタミン薬など)を使用しても、かゆみが改善しない
  • ・夜間のかゆみが強く、睡眠が十分に取れない状態が続いている
  • ・体重減少、倦怠感、黄疸など、かゆみ以外の症状が全身に広がっている 

 皮膚そう痒症の治療は、かゆみの原因を特定し、その原因に応じた対処を行うことが基本です。

 皮膚の乾燥が主な原因である場合は、保湿外用薬(塗り薬)によるスキンケアが中心となります。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服、ステロイド外用薬などを用いてかゆみの緩和を図ります。症状に合わせて血液検査やアレルギー検査を行い、糖尿病・肝疾患・腎疾患・甲状腺疾患などの内臓疾患が関与している可能性がある場合は、必要に応じて総合病院や大学病院の専門科への受診を紹介もしています。

 また、服用中の薬剤がかゆみの原因となっていることもあるため、お薬手帳をご持参のうえご来院いただくとスムーズな診察につながります。症状の程度や原因によって治療期間は異なりますが、まずは継続的なスキンケアと受診を続けながら経過をみていくことが大切です。

 当院では、かゆみの原因を調べるために、必要に応じて血液検査・アレルギー検査光学顕微鏡(クリティカル照明LED)による顕微鏡検査などを組み合わせて検査を行っています。皮膚科専門医・アレルギー専門医である院長が、疥癬や真菌感染症などかゆみを伴う他の疾患との判別を適切に行います。また、アトピー性皮膚炎が疑われる場合は、デュピクセントによる治療にも行っていますので、かゆみのお悩みを抱えている方は、気軽にご相談ください。

  • Q1. 皮膚そう痒症と乾燥肌は違うのですか?

    乾燥肌は、皮膚の水分や皮脂が不足することで皮膚が乾燥した状態を指し、皮膚そう痒症を引き起こす原因のひとつです。一方、皮膚そう痒症は「原因を問わず、発疹を伴わないかゆみが続く状態」の総称であり、乾燥以外にも内臓疾患・薬剤・神経的要因などさまざまな原因が関与することがあります。

    かゆみが長引く場合は、乾燥だけが原因とは限らないため、皮膚科での診察をおすすめします。

  • Q2. 市販の保湿クリームを塗っていますが、かゆみが改善しません。

    市販の保湿剤は皮膚そう痒症の基本的なケアとして有効ですが、かゆみの原因が乾燥以外にある場合は、保湿だけでは改善が難しいことがあります。

    かゆみの要因に内臓疾患・アレルギー・皮膚疾患などが関与している可能性もあるため、2週間以上経ってもかゆみが落ち着かない場合は、一度皮膚科で原因を調べることをおすすめします。適切な検査と診断のもとで、症状に合った治療を受けることが改善への近道となります。

  • Q3. 高齢の親がひどいかゆみを訴えています。何が原因として考えられますか?

    高齢者の方のかゆみは、皮脂の分泌低下による皮膚乾燥(老人性乾皮症)であることが多いです。

    加えて、糖尿病・慢性腎臓病・肝疾患・甲状腺の異常など、内臓の疾患がかゆみとして現れることがあります。また、服用中の薬剤が原因となるケースも少なくありません。倦怠感・体重減少など、かゆみ以外の症状を伴う場合は早めに皮膚科を受診してください。当院では、高齢の患者さんも多く診察していますので、安心してご相談ください。

  • Q4. かゆみで夜眠れないのですが、皮膚科で相談できますか?

    はい、ご相談いただけます。

    夜間のかゆみは、体温上昇や副交感神経の働きにより悪化しやすいと考えられています。また、睡眠に影響が出るほどのかゆみは、生活の質(QOL)を大きく損なうことがあります。かゆみを緩和するための内服薬や外用薬を適切に使用することで、症状が和らぐことが期待できます。

    当院では、皮膚科専門医・アレルギー専門医である院長の下、一人ひとりに最適な治療を提案していますので、まずは気軽にご相談ください。

  • Q5. 塗り薬を使うと余計に悪化することがあります。原因はなんですか?

    市販の塗り薬には、多くの成分が含まれています。使用している塗り薬に含まれる特定成分に対してアレルギーが生じている可能性が考えられます。

    これを「接触皮膚炎(アレルギー性)」といい、塗り薬自体がかゆみや炎症の原因となることがあります。特に、市販の抗ヒスタミン成分含有の外用薬は、かぶれを起こしやすいといわれることがあります。悪化が続く場合は使用を中止した上で、早めに皮膚を受診してください。当院ではパッチテストや顕微鏡検査による原因特定にも対応しており、適切な治療法を提案しています。

 皮膚そう痒症に似た疾患に関する以下の項目もぜひ参考にしてみてください。



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