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帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛(ワクチン・予防接種)


帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛(ワクチン・予防接種)

帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛(ワクチン・予防接種)

 帯状疱疹は、水ぶくれのような発疹が帯状に現れる皮膚の疾患です。50歳を超えると発症しやすく、80歳までに3人中1人が発症すると言われています。

 加齢や免疫力の低下が発症の原因であり、日頃から疲れ・ストレスを溜めないなど日常生活での管理が主な予防法でしたが、近年、効果的なワクチンが開発され、発症リスクの軽減・重症化の予防ができるようになりました。

帯状疱疹とは

 帯状疱疹は、ウイルス性の皮膚炎で、赤い発疹と水ぶくれができる皮膚疾患です。

 体だけでなく、顔や頭にも発症することがあります。左右どちらかに帯状で現れるのが特徴で、皮疹が出る前に、しばしば違和感やチリチリした感覚で表現される神経痛や知覚の異常が数日から1週間続き、通常数週間ほど症状が続きます。

 帯状疱疹は発症すると、強い痛みを伴うことが多く、仕事に集中できない、眠れないなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹の原因

 帯状疱疹は、多くの方が子どもの頃に感染する水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因です。

 このウイルスは、はじめて感染した時は水痘(水ぼうそう)として発症します。水痘(水ぼうそう)が治った後もウイルスは神経に潜伏しており、加齢やストレスなどで免疫力が低下すると再活性化して、帯状疱疹を発症します。

 帯状疱疹は50歳から発症率が高くなりますが、近年では、疲れやストレスによる免疫力低下が原因で、若年層の発症が増えています。帯状疱疹ウイルスは、国内では成人の9割以上が保有している言われており、帯状疱疹の発症は決してめずらしいことではありません。

帯状疱疹の治療

 帯状疱疹は、早期治療が重要です。

 体や顔に原因の分からない痛みが生じる、帯状の発疹ができるなど帯状疱疹が疑われる症状がでたら、すぐにご相談ください。

 帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬にて行いますが、帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えるものであり、症状を緩和するための投薬となります。早ければ1週間ほどで症状は落ち着きますが、帯状疱疹の発症は免疫力が大きく関係しているため、安静にして体力を回復することが何よりも大切となります。

後遺症が残りやすい帯状疱疹

 帯状疱疹の大きな問題は、後遺症が残りやすく、長期的に神経痛などに悩まされることです。

 帯状疱疹の治療が遅れたり、症状を放置したりすると、発熱や頭痛といった全身的な症状が現れることがあります。ひどい場合には、顔面神経麻痺、運動神経麻痺、視力低下、難聴などを引き起こすこともあります。

 また帯状疱疹は、赤い発疹と水ぶくれが治まった後も長期間にわたって痛みが残ることがあり、この症状を帯状疱疹後神経痛(PHN)と言います。50歳以上の患者さんの約2割が帯状疱疹後神経痛(PHN)へ移行するとの報告があり、年齢が高くなるほど移行リスクも高くなります。

 帯状疱疹後神経痛(PHN)は、ウイルスが神経を傷つけることで発症します。そのため、帯状疱疹の早期治療は、合併症・後遺症の予防となるだけでなく、帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行を防ぐことになります。

帯状疱疹はワクチン接種で予防できる

 帯状疱疹は、日常生活に支障をきたすような症状が起こりやすく、治療も長引くケースが少なくありません。特に、高齢者の方は帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクが高まるため、帯状疱疹の発症自体を予防することが重要です。

帯状疱疹予防ワクチン

 帯状疱疹予防ワクチンは 50 歳以上の方、または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方*であれば、どなたでも任意接種可能です。過去に帯状疱疹を罹ったことのある方でも接種できます。

*)シングリック添付文書、2023年6月改定

 帯状疱疹はまだ認知度が低く、初期症状も分かりにくい疾患です。発赤・発疹など目に見える症状が現れてからでは処置が遅れることが多いです。帯状疱疹予防ワクチンは副作用リスクも低いため、発症後に辛い症状で悩まされないよう、50歳以上の方、もしくは18歳以上で帯状疱疹に罹患するリスクが高い方にはワクチン接種をおすすめしています。

 ワクチン接種は、帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、もし発症したとしても程度を軽く抑えることが期待できます。

帯状疱疹予防ワクチン

帯状疱疹ワクチンの種類と特徴

 帯状疱疹ワクチンは2種類あり、効果や副反応、接種回数などに違いがあります。

乾燥弱毒生水痘ワクチン
「ビケン」
帯状疱疹ワクチン
「シングリックス®」
ワクチンの種類生ワクチン不活化ワクチン
予防効果帯状疱疹発症が51.3%減少
帯状疱疹後神経痛が66.5%減少
重症化が61.3%減少
帯状疱疹発症が
・50歳以上で97.2%減少
・70歳以上91.3%減少
帯状疱疹後神経痛が
・70歳以上で88.8%減少
持続期間5年程度9年以上
接種回数1回
2回

【50歳以上の方】2ヶ月間隔
【18歳以上で帯状疱疹に罹患するリスクが高い方】1~2ヵ月間隔
接種できない方免疫抑制剤などによる治療を受けている方特になし
保険適用なしなし
料金7700円(税込)22000円(税込)

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」

 弱毒化された生きたウイルスが含まれており、子どもに使用する水痘ワクチン(生ワクチン)と同じものです。

 予防効果は50~60%と 「シングリックス®」 より低く、数年毎に追加投与が必要ですが、副反応が少ないというメリットがあります。

 過去に水痘(水ぼうそう)や帯状疱疹にかかったことがある方におすすめです。

帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」

 帯状疱疹を予防するために開発され、2020年に認可されたばかりのワクチンです。不活化ワクチンと言われる、感染性をもたないウイルスが原料となっています。

 予防効果97%とされており、有効性が長期間持続するのが特徴です。 ただ、発赤、腫れ、発熱といった副反応リスクが「ビケン」より高いという点があります。


 予防効果からみると「シングリックス®」がおすすめですが、副反応などを考えて「ビケン」を選ぶこともあります。どちらのワクチンが適切かは、院長がそれぞれのワクチンの効果やリスクなどをしっかりと説明した上でご提案します。帯状疱疹予防ワクチンについて不安や疑問がある方は、まずは気軽にご相談ください。

よくあるご質問

  • Q. 帯状疱疹は再発することがありますか?

    帯状疱疹は、1度かかったことがあっても、免疫力の低下などによって再発することがあります。
    高齢になるほど発症リスクが高くなるため、過去に帯状疱疹にかかったことがある方も、ワクチン接種による予防が大切です。

  • Q. 帯状疱疹にかかったことがありますが、ワクチン接種はできますか?

    過去に帯状疱疹になった方でもワクチン接種はできます。

    1度帯状疱疹にかかって今は症状が落ち着いている方でも、免疫力が下がるとまた帯状疱疹になる可能性があります。 なので、過去に帯状疱疹にかかったことがある方でも、予防のためのワクチン接種をおすすめしています。

  • Q. 帯状疱疹ワクチンの接種時期などはありますか?

    50歳以上の方でしたら、時期を問わず接種いただけます。
    帯状疱疹の予防には日頃の体調管理も大切ですが、ワクチン接種によって発症予防ができるため、50歳以上の方はぜひワクチン接種をご検討ください。

  • Q. 帯状疱疹ワクチンには副反応はありますか?

    帯状疱疹ワクチンには、「ビケン」と「シングリックス®」の2種類があります。

    「ビケン」の副反応は比較的少ないとされています。
    「シングリックス®」は予防効果が高いワクチンですが、接種後に体内で強い免疫を作ろうとする働きにより、副反応もやや強く生じます。主な副反応としては、注射部位の発赤や腫れ、発熱、筋肉痛などです。日常生活に影響がでるほどではなく、3~7日程度で落ち着いてきますのでご安心ください。

  • Q. 帯状疱疹ワクチン接種後に注意することはありますか?

    ワクチン接種当日は、激しい運動や飲酒を避けてください。入浴は問題ありませんが、長湯は控えてください。
    注射部位は清潔に保っていただき、こすったり揉んだりしないよう注意してください。

帯状疱疹予防ワクチンの注意事項

・水痘ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある方

・妊娠している方、授乳中の方、ワクチン接種後に妊娠の予定がある方

・明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する方、および化学療法やステロイドなど免疫力抑制をきたす治療を受けている方

帯状疱疹予防ワクチンの料金

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