蜂窩織炎（蜂巣炎）
蜂窩織炎（ほうかしきえん）は、細菌が入ることで、皮膚が赤く腫れあがってしまう感染症のひとつです。「蜂巣炎（ほうそうえん）」とも呼ばれます。
現在は、「軟部組織感染症」という名でも知られています。
蜂窩織炎（蜂巣炎）の原因
蜂窩織炎は、真皮～皮下組織（脂肪）と皮膚の深い層が細菌に感染することで起こります。原因となる主な細菌は、レンサ球菌とブドウ球菌ですが、まれにインフルエンザ菌、大腸菌、嫌気性菌などが原因と起こることもあります。
アトピー性皮膚炎、水虫の方などは皮膚が傷ついていることが多く、細菌が入りやすく、蜂窩織炎にかかりやすいです。また、足の静脈不全やリンパ浮腫の方、立ち仕事で日頃からむくみがみられる方は、リンパの流れが悪いため、細菌・ウイルスに対する防御機能が低く、蜂窩織炎にかかりやすいとされています。
蜂窩織炎（蜂巣炎）の症状
蜂窩織炎になると、虫刺されのような赤いぶつぶつができ、急に広く赤く腫れあがります。患部は熱を持ち、触ると痛みを感じることもあります。
蜂窩織炎は感染症のため、細菌を退治しようと免疫反応が起こり、発熱、悪寒、関節痛などを生じることがあります。場合によって、40度近い高熱になったり、細菌が血流に入り、菌血症や敗血症になることもあります。
なお、感染症ですが、人にうつることはありません。
また同じ感染症でも、手足の指先に生じたものは「ひょう疽（爪周囲炎）」という症状となりますので、以下のページもぜひ参考にしてください。
ひょう疽（爪周囲炎）の詳細を見る蜂窩織炎（蜂巣炎）の診断
基本は、症状と過去の病歴などを確認した上で診断を行います。ただし、感染の状態や合併症の疑いがある場合は、原因菌を特定するため、血液検査などを行うことがあります。
発熱などで入院治療が必要な際は、適切な大学病院などを紹介しますのでご安心ください。
蜂窩織炎（蜂巣炎）の治療
蜂窩織炎は、原因となる細菌を完全に死滅させなければ再発してしまうため、抗菌薬での治療を1～2週間行います。症状が軽い場合は、内服薬での治療を行いますが、発熱などがある場合は、点滴による投与を行うこともあります。
症状によって治療期間が長くなることもありますが、再発防止のためにも、しっかりと完治するまで治療を続けることが重要です。
