真皮のコラーゲンやエラスチンの減少

真皮には肌のハリや弾力に欠かせないコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生成する線維芽細胞がありますが、なんらかの原因によって線維芽細胞の働きが低下すると、肌細胞の密度が減ってシワを作り出します。

コラーゲンやエラスチンの減少はたるみの原因の一つでもあり、肌がたるむことでシワが深くなるケースもあります。

肌は弾力性を失ってシワを作り出すと、その後元に戻るのが難しく、どんどんそのシワは深くなっていくでしょう。

加齢

コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞の働きは、30歳を超えると加齢と共に低下するとされていて、加齢は真皮と表皮を薄くする原因の一つとなることがわかります。

皮膚が薄くなると弾力が低下し、さらにターンオーバーが乱れることで肌の薄さは加速し、シワとなって表面に現れます。

紫外線のダメージ

紫外線にはUVA・UVB・UVCという3種類があり、そのうち地球に届くのはUVAとUVBです。波長が短いUVBは肌を日焼けさせ、波長が長いUVAは真皮まで届いてしまうとされています。

そのため、肌表面に日焼けとして現れていなくても、紫外線のダメージは肌内部に蓄積されていて、そのダメージがシワやシミとなって表面に現れてきます。

紫外線はコラーゲンやエラスチンを破壊するだけではなく、線維芽細胞も攻撃し損傷させてしまうため、すぐに目に見えるものではありませんが、ダメージが溜まっていると考えておきましょう。

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表情のクセ

ここまで紹介したような加齢や紫外線のダメージとともに、表情のクセがシワを作ってしまうことがあります。

笑いジワや眉間のシワなど、表情をつくることでついたシワが元に戻らなくなってしまうことがあるため、注意が必要です。

表情ジワは、若いうちは表情を戻せば自然と消えるものですが、加齢とともにハリや弾力が失われた状態が続くと、そのうちシワとして肌表面に刻まれてしまいます。

乾燥

肌の表面である表皮が乾燥すると浅く細かいシワとなり『ちりめんジワ』『小ジワ』として現れ、真皮が乾燥すると『真皮性ジワ』として深いシワができてしまいます。

本来肌に含まれる水分は、角質細胞間脂質や天然保湿因子などのバリア機能に守られていますが、間違ったスキンケアや偏った食生活・季節・遺伝などによってバリア機能が損なわれると水分不足に陥り乾燥してしまいます。

表皮の乾燥を放置していると、ターンオーバーが乱れて真皮の乾燥を引き起こす可能性があるため、特に乾燥しやすい季節はスキンケアなどを念入りに行う必要があるでしょう。

女性ホルモンの乱れ

女性ホルモンには『エストロゲン』と『プロゲステロン』がありますが、このうちエストロゲンはコラーゲンやエラスチンの生成に関わっているホルモンです。

しかし、女性ホルモンは30歳頃から徐々に減り始め、更年期に差し掛かると急激に低下します。

そうなると、真皮にあるコラーゲンや水分量が低下し、皮膚が薄くなることでシワが増えてしまいます。

表情ジワ

表情ジワは、表情筋を動かすことによってついたシワが残ってしまい、跡がついたままになっている状態を指します。

若いころは表情を戻せばシワが消えますが、年齢を重ねるうちに肌のハリや弾力・水分不足などによって皮膚を支えられなくなることが原因です。

表情ジワは以下のような場所にできます。

これらの表情ジワは、深く刻まれてしまうと常に表情を動かしているように見え、場合によっては『常に不機嫌な人』などと見えてしまうこともあります。

表皮ジワ

表皮ジワは『ちりめんジワ』や『小ジワ』とも呼ばれ、目元や目尻に現れることが多く、乾燥することで若い人でも見られることが特徴です。

加齢・乾燥などによって表皮の水分が失われることが原因で、無表情のときよりも表情を動かしたときなどに現れます。

表皮で起こるシワとなることから比較的改善しやすいですが、放置していると真皮にまでシワが達してしまうこともあるため注意が必要です。

真皮ジワ

真皮ジワは『大ジワ』とも呼ばれるシワで、真皮層にまでシワが達してしまっている状態です。

コラーゲンやエラスチンが減少することによって生じるたるみが原因となって、シワのように見える状態も真皮ジワといいます。

ほうれい線・まぶたの下・額など比較的広いところにできやすく、一度真皮ジワができてしまうとセルフケアで元に戻すのは困難です。

乾燥ジワ

乾燥ジワは表皮が乾燥することでできるシワで、浅く細かいシワが目元や口元にできるのが特徴です。

肌の乾燥だけではなく、間違ったスキンケアや紫外線の影響、生活習慣の乱れなどによって水分量が低下して生じることもあります。

特に洗顔やクレンジング・タオルドライの際に強く肌をこすってしまうと肌にとって刺激が強すぎるため、気を付ける必要があるでしょう。

紫外線ジワ

紫外線ジワは紫外線のダメージによってコラーゲンやエラスチンが減少したり、変性したりすることで生じるシワです。

紫外線はシワだけではなくたるみやシミを引き起こす原因にもなるため、適切なケアを日々おこなうことが重要です。

ピコレーザー

ピコレーザーは非常に短い周期でレーザーを照射することで、衝撃波によってシミなどの色素を破壊する治療です。

シミやあざなどの治療として知られるピコレーザーですが、照射モードが3種類あり、中でもピコフラクショナルは小ジワへの効果があります。

当院で採用している『ピコシュア®プロ（PICOSURE® PRO）』は、従来のフラクショナル照射に比べて皮膚表面へのダメージが少なく、皮膚の内側に空砲をつくる独自照射です。

ダウンタイムとして赤みやほてりを感じることもありますが、数時間～1日程度で治まることがほとんどです。

当院のピコレーザー（サイノシュア社ピコシュア®プロ（PICOSURE® PRO）の詳細はコチラ

フォトフェイシャル®

フォトフェイシャル®は、IPLという光エネルギーを照射することで、肌表面を傷つけずに真皮層にあるコラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を刺激します。

線維芽細胞が刺激されることで、小ジワを改善する効果が期待できます。

さらに、シミ・そばかす・肌のくすみといった色素トラブルも改善できるため、肌悩みを複数抱えている方におすすめの治療です。

当院のフォトフェイシャル®は、『Stellar M22（ステラM22）』という2020年に発売されたもので、複数の波長フィルターが搭載されていることで幅広い肌トラブルにアプローチできます。

施術直後に軽い赤みやほてりを感じることがありますが、1～2時間で落ち着くことがほとんどです。

当院のフォトフェイシャル®の詳細はコチラ

ハイフ

切らないリフトアップとしてたるみ治療で人気のハイフは、SMAS層への照射によって小ジワを改善する効果があります。

超音波をターゲットに向かって1点のみに照射できるため、表皮や周辺の組織を傷つけることなく肌悩みを改善できます。

当院のハイフは『ウルトラフォーマーⅢ』で、コラーゲン生成に最も適していると言われる65～75℃の熱エネルギーで照射するため、他の機種よりも効果的にコラーゲン生成を促し、高い治療効果が期待できます。

また照射する深さを調整することで、皮膚の表層から深層まで満遍なく照射できるほか、目元のリフトアップを含めたハイフシャワー®という照射ができるのが特徴です。

施術直後に軽い赤みが出ることがありますが、ダウンタイムはほぼない安全な治療です。

当院のハイフ・ハイフシャワー・ハイフアイシャワーの詳細はコチラ

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、乱れたターンオーバーを正常に戻すために、肌表面に溜まった古い角質や汚れをやわらかくして溶かし、新しい細胞への入れ替わりを促します。

そのため、乾燥小ジワを解消させたい方におすすめで、ほかにも毛穴の黒ずみや開き、ニキビなどの肌荒れにも効果があります。

当院では、『サリチル酸マクロゴールピーリング』『マヌカハニーピーリング』『リバースピール』『マッサージピール』などお悩みに合わせたさまざまな薬剤をご用意しております。

薬剤によっては、施術直後に赤みが短時間出ることもありますが、ほぼダウンタイムのない治療です。

当院のケミカルピーリングの詳細はコチラ

ボトックス注射

ボトックス注射は、筋肉に注入することで緊張した状態をリラックスさせ、表情ジワを改善させる効果があります。

注射をするだけの施術で、簡便かつ体への負担も少なく、表情をつくり続けることによってシワが刻み込まれる前に予防ができます。

当院では、アラガン社の『ボトックスビスタ®』とヒューゲル社の『ボツラックス®』をご用意しております。

注射による赤みや内出血が生じることが稀にありますが、軽い症状で数日で治まることがほとんどです。

当院のボトックス注射の照射はコチラ

ドクターズコスメ

皮膚科専売品であるドクターズコスメを使用すると、シワの改善をはかれるとともにさまざまな肌悩みに効果的です。

保湿ケア

ここまで紹介してきたように、小ジワの大きな原因は乾燥です。そのため、肌の乾燥を防ぐことで乾燥小ジワを予防できると考えておきましょう。

たっぷりの泡で洗顔したあとは、化粧水をつけて水分補給をし、その水分が逃げないようクリームや乳液で蓋をしましょう。

朝・夜のスキンケアを徹底することと、乾燥を感じる季節は日中もメイクの上から保湿できるスプレーなどを使用するのがおすすめです。

紫外線対策

紫外線は、晴れた日だけではなく曇りの日でも降り注いでいるため、常に日焼け止めなどで紫外線対策をおこないましょう。

また、UVAは窓ガラスも通り抜けてしまうため、部屋の中でも油断できません。

日焼けは乾燥を加速させる材料にもなってしまうことがあり、常に紫外線対策をすることが重要です。

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生活習慣を整える

腸内環境を整えると肌の老化の予防になるため、栄養バランスのとれた食事をすることに加え、食物繊維を多く含む食品や発酵食品などを食べるのがおすすめです。

良質な睡眠をとる

シワを予防するためには、しっかり睡眠をとることが重要です。さらに、良質な睡眠にするためには、寝る前にスマホやテレビを見ないことや、寝室の環境を整えることなどがおすすめです。

寝入る際に体温の放出が必要となるため、寝る直前の熱い風呂など体温が上がりすぎることを避けるのも重要です。