太田母斑(おおたぼはん:青あざ)
太田母斑(おおたぼはん)は、「青あざ」と呼ばれる母斑(あざ)のひとつです。
生まれつきできる青あざの代表は「蒙古斑(もうこはん)」ですが、太田母斑は、生後半年頃、もしくは思春期以降になってからできる青あざです。目の周りや頬を中心に、顔の片側に現れるのが特徴です。
太田母斑(おおたぼはん:青あざ)の症状
症例出典:『皮膚科Q&A:アザとホクロ』公益社団法人日本皮膚科学会
太田母斑(青あざ)は、目の周り、額、頬にできる「青あざ」のことです。通常、顔の片側だけに発症しますが、まれに両側にできることもあります。
青紫色から灰紫青色をしたあざで、薄い褐色の小さな色素斑が混在します。褐色斑をシミやそばかす(雀卵斑)と勘違いすることもありますが、青色ないし灰紫色の色素斑が混じっている場合は、太田母斑(青あざ)である可能性があります。
出生時に存在することはまれで、生後半年以降、もしくは思春期以降に発症します。また、もともとあった太田母斑(青あざ)が、思春期以降のホルモンバランスの変化によって、濃くなることもあります。
- 青褐色のシミ(あざ)が顔の左右どちらかに発症している
- 乳児期からあったシミ(あざ)が、年齢とともに濃くなってきた
太田母斑(おおたぼはん:青あざ)の原因
シミの原因となるメラニンを作り出すのが、メラノサイトです。
メラノサイトは、皮膚を構成する表皮層と真皮層の境目(基底層)に存在するのが通常ですが、太田母斑(青あざ)の場合、メラノサイトが真皮層に存在します。
さらに、メラノライトが増殖することで、メラニンが通常と比べて多く生産され、皮膚の深い層にメラニンが沈着して、太田母斑(青あざ)が発症します。
通常存在しないはずの真皮層でメラノライトがなぜ増殖するのか、その原因は解明されていません。
太田母斑(おおたぼはん:青あざ)の治療
太田母斑(青あざ)は、自然に薄くなったり、消えることはありません。健康を損なう症状ではないため、治療をせずに経過観察することもあります。
しかし、目の周りや額など、目立つ部位に発症しやすいため、美容的な観点から治療を行うことがあります。
Qスイッチレーザー/レーザーフェイシャル
太田母斑(青あざ)は、皮膚深部にあるメラノサイトが原因となるため、フォトフェイシャル®などの光治療では充分な効果が得られません。そのため、「Qスイッチレーザー」によるレーザー治療が基本となります。
多くの場合、3~5回の継続治療が必要となります。太田母斑(青あざ)は、再発リスクがほぼないので、回数を重ねることで着実に改善効果を実感できます。
「Qスイッチレーザー」による太田母斑(青あざ)治療は、保険適応での治療が可能となりますので、詳しくは診察にてご相談ください。
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シミ(あざ)の種類と治療法
太田母斑(青あざ)は、青紫色したあざのなかに、褐色斑が混在することがあります。そのため、シミやそばかす(雀卵斑)と勘違いすることがあります。
診断を誤ると、治療に時間を要してしますこともありますので、ご自身で判断せず、気になる症状があった際は、まずは診察にてご相談ください。
他のシミやあざについては、以下のページも参考にしてみてください。
シミの種類と治療法