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掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは

 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひらや足の裏に、水ぶくれから膿を持った発疹(膿疱)へと変化する皮疹が、繰り返し現れる皮膚疾患です。

 膿疱の中に細菌やウイルスがいない「無菌性」という特徴があり、人にうつることはありません。日本ではおよそ14万人(有病率約0.12%)の患者さんがいると言われており、中高年の女性に比較的多くみられます。

 発症や悪化に関わる要因として、喫煙が挙げられ、患者さんの喫煙率は高い傾向にあるとされています。また、扁桃炎、副鼻腔炎、歯周病や虫歯(齲歯)といった、体のどこかにひそむ慢性的な炎症が引き金となっている場合があります。金属アレルギーとの関連が指摘されることもありますが、関連の強さには個人差があります。

※参考出典:日本皮膚科学会『掌蹠膿疱症診療の手引き』

掌蹠膿疱症の症状

 掌蹠膿疱症は、次のような症状が、良くなったり悪くなったりを繰り返しながらあらわれるのが特徴です。

手のひら・足の裏の膿疱(水ぶくれからの変化)

 手のひらや足の裏に、透明な小さな水ぶくれ(水疱)ができ、やがて白色〜黄色の膿疱へと変化します。その後乾いてかさぶたや、銀白色のフケのような鱗屑になります。

皮膚の赤みやかさかさした皮むけ(紅斑・鱗屑)

 膿疱の周りが赤くなって(紅斑)皮むけしたり、銀白色のフケのようなもの(鱗屑)となって剥がれ落ちたりします。

ひび割れによる痛み(亀裂)

 膿疱が繰り返しできることで皮膚の角層が厚く積み重なり、乾燥してひび割れ(亀裂)が生じます。皮膚が深く割れると、歩行や手作業がつらくなることがあります。

爪の変形や濁り

 掌蹠膿疱症は、手足の爪に症状がでることがあります。爪をつくる部分や周囲に炎症が及ぶことで、爪の表面がデコボコと変形したり変色したりし、爪が剥がれて浮き上がることもあります。

胸や鎖骨まわりの関節の痛み(掌蹠膿疱症性骨関節炎)

 掌蹠膿疱症性骨関節炎とは、掌蹠膿疱症に関節炎や骨の炎症を合併する病態です。前胸壁(胸骨・鎖骨・肋骨)や脊椎などに腫れや激しい痛みを伴い、咳やくしゃみすると響くこともあります。

 膿疱といった皮膚の症状より先に、骨関節炎が現れることもあります。その場合、整形外科などで検査を受けた後に、皮膚症状との関連から、掌蹠膿疱症と診断されることもあります。

 掌蹠膿疱症は、水虫(足白癬・爪白癬)湿疹汗疱など似た症状の疾患と見分けが難しいことがあります。類似疾患との判別のためにも、気になる症状がでている場合は早めにご相談ください。

・手のひらや足の裏に、膿疱(水ぶくれのようなできもの)が繰り返しできる
・皮膚のひび割れ(亀裂)やかゆみが生じて日常生活に支障が出ている
・水虫(足白癬)や汗による水ぶくれ(汗疱)と見分けがつかず、市販薬でも改善しない
・胸や鎖骨まわりの腫れ・痛みが長く続いている
・胸や鎖骨まわりの痛みが、深呼吸や咳、くしゃみをすると強くでる

 掌蹠膿疱症の治療は、ステロイドや活性型ビタミンD3の塗り薬による治療が基本となります。

 塗り薬で改善が乏しい場合は、紫外線を患部に照射する光線療法(ナローバンドUVB療法)と、内服薬であるPDE4阻害薬「オテズラ(アプレミラスト)」を組み合わせることで改善が期待できます。それでも症状が落ち着かなければ、注射による生物学的製剤の使用を検討します。

掌蹠膿疱症の治療:PDE4阻害薬「オテズラ(アプレミラスト)」

 ナローバンドUVB療法や内服薬と併せて、禁煙、歯周病・虫歯(齲歯)・扁桃炎など病巣感染が疑われる部位の治療を行うことで、症状の改善につながることがあります。掌蹠膿疱症は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、数ヶ月から数年と治療に時間を要することが多い疾患です。治療とともに生活習慣を見直しながら、根気強く症状を抑えることが大切です。

 当院では、掌蹠膿疱症とよく似た症状の水虫(足白癬・爪白癬)などと見極めるため、必要に応じて光学顕微鏡検査ダーモスコピー(医療用拡大鏡)による検査を行っています。喫煙や歯周病・虫歯(齲歯)・扁桃炎など病巣感染が関係すると考えられる場合は、歯科・耳鼻科などへのご紹介も行っています。

  • Q1. 掌蹠膿疱症は人にうつりますか?

    「掌蹠膿疱症でできる膿疱(膿を持った発疹)の中に細菌はおらず(無菌性)、掌蹠膿疱症が人にうつることはありません。

    水虫(足白癬・爪白癬)のように触れてうつる病気ではないため、日常生活で周囲の方に感染させる心配はありません。ただし、水虫など似た症状の疾患と見分けが難しいこともあるため、気になる場合は皮膚科でご相談ください。

  • Q2. 膿疱はつぶしてもよいですか?

    膿疱をご自身でつぶすことはおすすめしません。

    無理につぶすと皮膚が傷つき、そこから細菌感染を起こしたり、炎症やひび割れが悪化して痛みが強くなることがあります。

    膿疱は乾いて自然にかさぶたになっていくため、気になる場合も掻いたりせず、保湿や塗り薬で皮膚を保護しながら経過をみるようにしましょう。

  • Q3. 掌蹠膿疱症とたばこや虫歯の治療は関係がありますか?

    掌蹠膿疱症の患者さんには喫煙率が高い傾向があり、発症や悪化に関連するとされています。

    また、歯周病や虫歯(齲歯)、扁桃炎などの慢性的な炎症が引き金となっていることもあります。そのため、禁煙や歯の炎症部位の治療を行うことで、掌蹠膿疱症の改善につながる場合があります。

  • Q4.水虫との違いは何ですか?

    水虫(足白癬・爪白癬)は白癬菌というカビが原因でうつる感染症ですが、掌蹠膿疱症は無菌性で人にはうつりません。

    見た目が似ているため区別が難しいことがありますが、顕微鏡検査でカビの有無を確認することで見分けることができます。市販の水虫薬で改善しない場合は、皮膚科での確認をお勧めします。

 掌蹠膿疱症に関連した疾患などについて、項目も参考にしてみてください。



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